オーエル (ページ38)

今日:31 hit、昨日:26 hit、合計:189,435 hit

38 ページ38

「はぁ、」

潤「幸せもーらい」

「わっ、びっくりした」

冷蔵庫前で大きなため息をついたのと同時に後ろから潤くんが現れた

潤「水とりたいんだけど」

「あ、ごめん」

邪魔にならないようその場から離れようとすると

潤「....」

「なに？」

潤「なんか出そうとしたんじゃないの？」

冷蔵庫の前にいたのに何もとらない私に言う

そうだそうだ、リンゴ酢飲もうとしたんだ

黙ってUターンする私をやっぱり潤くんは不思議そうに見る

潤「何かあった？」

「何も」

潤「嘘つけ」

「....ちょっと疲れただけ」

疲れたよ

わからないけど、たまにやってくるこの感じ

何もしたくない何も考えたくない誰にも会いたくない

自分の殻に閉じこもりたくなる

潤「.....、ちょっとそこ座っとけ」

「.....？」

リビングの椅子に座らせられ待つこと5分

潤「はいどーぞ」

「....ココア？」

潤「まぁ飲んでみなさいって」

触るには少し熱いマグカップにそっと口をつけ、一口

「...チョコレートだ」

潤「疲労回復にはチョコレートがいいんだってよ」

そっか、それでホットチョコレート...

潤「よくわかんねぇけど、疲れたなら休めばいいじゃん。あーもうやだ休むの飽きた動きたい、ってとこまで休めばいいんじゃねぇの？」

「......」

潤「よくしらねぇけど、あんま1人で抱え込むなよ？」

座る私の頭にポン、と置いた潤くんの手は彼が歩いて行くのと同時に離れていった

チョコレートの甘さが、やけに心に沁みた気がした

-

-

「.....」

庭のベンチに座って空を見上げる

大野くん、今日は星が見えないよ

明日は雨かもしれないね

和「あんま空見てると首動かなくなるよ」

「....?」

白のロンTを着たにのがガラガラと窓を開ける

和「なに生気のない顔してんの」

「相変わらず一言多いよね」

和「褒めてる？ありがと」

「どういたしまして」

ぜーんぜん会話が成立しない

まぁいいや、そのくらいの方が楽だから