オーエル (ページ34)

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和「ねみぃ」

大きな会社のビルに入っている小さなカフェでバリスタとして働いているにのは、私と同じように早番遅番とあり早番の時は大体時間がかぶる

「そういえばにのの珈琲飲んだことない」

まーくんが言ってた、にののコーヒーはめちゃめちゃ美味いって

和「そうだっけ」

「うん、飲みたいなぁ」

和「ん、今度ね」

一瞬にのの顔が困ったように見えたけど、すぐに他の話題に流れてしまった

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ゴールデンウィーク初日の今日は、大型連休なだけあってお店はいつもと打って変わって賑やかだった

樹「日替わりランチがお2つですね」

「お飲み物は食後でよろしいですか？」

響「テイクアウトでお待ちの林様～！」

直「はいこれ8番テーブル持ってって」

...

響「じゃあ俺次のバイトあるんでお先っす！」

「稼ぐねぇ...お疲れ様」

早番の樹里ちゃんは18時に上がり、遅番の響くんは今から本日3つ目のバイトをするために帰り、通しを終えた私は今カウンターでぐったりしている

直「はいよ、お疲れ」

伏せてた顔を上げ目の前に出されたアイスココアをたっぷり口に含んだ

ほぉぉ、沁みる

ホッと一息吐いた時

駿「Aー！」

「駿くん？」

栞「もう待ってってば駿」

「栞さん！」

わぁ、一気に疲れが吹っ飛んだ

恐るべし子供と美人パワー

駿「駿ね、今日からじいじとばあばのおうち泊まるの！」

「そっか！いいなぁ～！じゃあこのリュックはお泊りセット？」

駿「うん！歯ブラシとパジャマとトランプが入ってるんだ！」

栞「向かってる途中でここ寄りたいってうるさくて(笑)」

そっか、栞さんの実家はこっちだもんね

直「ゴールデンウィークは仕事なのか？」

栞「えぇ、駿もちょうどじいじとばあばに会いたいって言ってたから連休中は預かってもらおうと思って」

直「お前もあんま無理するなよ？」

栞「私は大丈夫(笑)」

「.....」

栞さんはシングルマザーだ

旦那さんは駿くんが生まれてすぐに交通事故で亡くなったと聞いている

旦那さんと直人さんは大学の同級生だったらしい

だからだろう、ここまで直人さんが2人の面倒を見ているのは

きっと駿くんに寂しい思いをさせないように、他の子供達がパパにしてもらうようなことをしてあげているんだ

でも私は気付いていなかった、直人さんの優しさや栞さんの強さや駿くんの純粋さが時に誰かの心を傷つけていることを。

私はまだ..