僕以外見ないでください ページ10
最近ある子に好かれている。
｢Aちゃーん、怪我しちゃったー｣
この子だ、聞いてみると3年生らしい。
よくこうやって口実を作っては保健室に来る。
『先生ね、今日はどこ怪我しちゃったの？』
とりあえず椅子に座ってもらう。
ある程度診てもどこにも以上は無い、
『また嘘ついて来ちゃったの？まったく、』
｢だって授業暇なんだもん、Aちゃん今日もお話しよー｣
この生徒はなぜか私に絡んでくる。
『しょうがない、私が教室まで送ったげる、』
｢まじ、やったー｣
調子のいい奴だ、私よく変なのに好かれるな、
｢ねぇねぇAちゃんって好きな悪魔いるの？｣
『先生と呼んで敬語を使えば教えたげる。』
変な誤解をされるのは勘弁だ。
ここでちゃんと境界線を引いておかないと、
｢分かりました！｣
『よろしい、そうだな、いるよ好きな悪魔。』
｢どんな感じの奴なの？｣
『う〜んよく勘違いしてしまいそうなことばかり言う悪魔かな、』
｢だれだれ〜｣
『そこまでは言えないなぁ、ほら着いたよ。』
恋バナしてたら着いた、少し疲れたな。
｢ちぇーじゃあねーA先生ー｣
『しっかり授業受けるんだよ〜』
やっと送り届けた、このまま校舎裏に行ってタバコでも吸うか、
そう考えると足取りが軽くなる。
今日もある程度仕事が終わり保健室に向かう。
あの人に会えると考えると嬉しくなる。
すると廊下の方から話し声が聞こえる。
まだ授業中なのに誰だろう。
｢ねぇねぇA先生ちゃんって好きな悪魔いるの？｣
彼女の話題だ、隠れて見てみれば生徒と話している。
耳を澄ませて聞く。
『う〜んよく勘違いしてしまいそうなことばかり言う悪魔かな、』
僕以外に好きな悪魔がいるのか、
今すぐにでも彼女に問い詰めたい。
｢イフリート先生そんな所で何してるんですか？｣
｢ああ、マルバス先生、何にもしてないですよ、｣
いきなり現れてびっくりした。
｢A先生いますね、それと最近仲のいい生徒まで、｣
｢何か知ってるんですか？｣
｢最近あの子A先生にべったりですよ、｣
気付かなかった、彼女も楽しそうに話している。
｢それでは僕はこれで、タバコ吸ったらだめですよー｣
｢はい、もちろんですよ、｣
ここまで片思いを拗らせてんだ、絶対に逃がさない。
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作者名：天音 | 作成日時：2023年8月25日 22時
