君にみえるもの [４]

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結果は間に合わなかった｡

鈴木さんは愛しい彼女を殺 した
犯人の所に向かったらしい｡

彼女にあげたはずのネックレスをしている女性が葬儀場に来るらしい｡





私達が駆けつけて､ミコト達と中に入ろうとすると
中堂さんに腕を掴まれて引き止められる｡



中｢お前は行くな｡｣



彼の悲しげな瞳に嘘はない｡
きっとこれから葬儀場で起こることが分かっているのだろう｡

それが私にとってどれだけ苦痛なものなのかも...



貴｢私...行かなきゃ｡
もう逃げてばかり居たくない！｣


私の意志に驚いたのか
一瞬腕が緩んだタイミングで､彼の手を振り払い
ミコト達の後を追った｡









そこで目にした光景は
あの時の光景と､とても良く似ていた｡


男の人が女の人を刺す光景｡


真っ白な雪に赤い血が跳ねて
綺麗だとさえ思えて来るほど鮮明に思い出される｡



あぁ､そうだ｡
お母さんもこうやって...



覚悟を決めたつもりで来たのに
やっぱり私は弱虫なのかもしれない｡





鈴木さんが背中に包丁を突き刺したのを見た瞬間に
全身の力が抜けて座り込み
そこから動く事が出来なかった｡






ミコトは刺された女性の処置へ向かい
久部くんは私に声をかけてくれた｡


六｢君塚さん！？｣


肩を掴もうとしていた彼の姿が､あの男の影と重なり
久部くんだと頭では分かっていても
体と心は拒否する事しか許さない｡


貴｢ごめ...今は触れられたくないや｣


六｢なら中堂さんを...｣


その言葉に頭の中に彼の優しい笑顔と
苦しそうな顔が浮かぶ｡



貴｢だめ...系くんも1人にしておいてあげて｡
私は大丈夫だから｡｣









きっとあなたは今､頭を押さえて
凄く苦しくて悲しい顔をしているんだろう｡









貴｢お願いだから...泣かないで｡｣








その言葉を最後に私の意識は暗闇に落ちた｡

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