【番外編ー前世：Part2ー】 ページ49
陽月ちゃんの文スト時代〜ボカロを添えて〜
―――――――――＊
［太宰治］『ザムザ』
太宰「…突然歌い出したと思ったら…何を思って歌ったんだい、それ」
『言わなくてもアンタなら分かるでしょ、私とよく似た思考してんだから』
太宰「それはその通りだけれどね。…この歌、寧ろ敦君に向けるべきじゃ？」
「それ本気で言ってる？」
太宰「……ズルいなぁ全く。なまじ思考回路か似ているせいで隠し事がこれっぽっちも出来ないじゃないか」
拗ねたように言う太宰。その表情が、珍しく痛そうにされているのを見て、陽月は満足そうに眉を下げる。
明るいコートの袖から覗く腕を包帯越しに優しく撫でながら、もう片方の手でそっとその手を取る。
この男には手を取り手を引き、寄り添って待ってくれるものが必要だ。
頭が良いが故に簡単に手を汚して毒も傷も食らって、そのせいで負った痛みにポカンとしている。
ズキリズキリと、痛む傷跡がある事を、この男はこうして教えてやらねばなかなか自覚しない。
太宰「私は、確かに人間のフリをした亡霊なのだろうね」
『…半々かな。前はそうだったけど…今は、半分くらいは人間らしいよ』
太宰「これは手厳しい」
そう言いつつ嬉しそうにする。
陽月の言葉が真摯であるとよく信頼しているからこそ、彼女からの評価は何より心に染み渡る。
太宰「…どうすればもっと、上手く生きられるのだと思う？ずっと考えているけれど、それだけは、ちっとも分かりやしない」
『ほんっとそういうとこバッカだよねぇ…。上手い生き方なんか無いよ。傷だらけの身体を引き摺って、それでもひたすらに生きるものさ。人間なんてだぁれも思い通りになんて生きらんないんだ』
太宰「……君もかい？…意外だね」
『私は上手く生きてるわけじゃなくて、足掻くことに慣れただけ』
上手な生き方ができる人間などいない。
それこそ、あてなく溝底を駆ける
『ね、太宰さん』
太宰「なんだい？あ、心 中OKの返事とか！？」
『するかバカ。…まだ、現実から逃げないでね。まだまだ、酸化なんてしてない筈だ』
太宰「……」
『辛くても、どうしようもなくても、いつかこの上なく愛おしいと思える人生になるだろうから。…それは、私が保証しよう』
太宰「…ふふ、うん…安心し給え。…私は今ね、存外生きていることが楽しいのだよ…有難う」
『どういたしまして』
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あかね - すみませんが、文ストの世界でのことを書いてもらうって可能ですか！？ (3月29日 10時) (
レス) id: ff7b5ca53a (このIDを非表示/違反報告)
ふみ(プロフ) - 零月さん» 返事遅くなりました。よろしくお願いします(@￣□￣@;)！！ (3月19日 9時) (レス) id: 7980a35b29 (このIDを非表示/違反報告)
零月(プロフ) - ふみさん» わぁめっちゃ見たいそれ← 書きます(即答) (3月5日 17時) (レス) id: 16284ecfae (このIDを非表示/違反報告)
ふみ(プロフ) - いつも楽しく読んでます。あの、なんやかんや(ご都合血鬼術)あってFateのオベロンと高杉晋作と古代王達(できれば千里眼トリオ)と陽月ちゃんとの絡みが見たいです!書いてほしいです (3月5日 15時) (レス) id: 6a76373744 (このIDを非表示/違反報告)
３ - あのぅ……紅蓮ちゃんの文スト世界にいた頃を書いて頂きたいです！ (2月21日 22時) (レス) id: e5dd671507 (このIDを非表示/違反報告)
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