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side 辰哉
さっき佐久間に邪魔されたからあまり深くは言えなかったんだけど。
実は、Aが俺のこと好きなの知ってるんだ。
『じゃあ告白すればいいじゃん!』って思うよね。
でも、俺の場合そういうわけには行かなくて。
俺は他人で居候の身だから、いるだけで迷惑なのに、ほら、恋愛なんかされたらもっと困るでしょ?
俺はもうこの気持ちに蓋をするって決めたんだ。
だけど、そう思えば思うほどAに目が行って。
『好き』が溢れて。
お互い両思いなんだからもういっそ告白しちゃえ、なんて何度思ったか。
でもなんか、母さんと父さん(※今の)は俺に遠慮させまいと頑張ってくれてるのを見ると、
やっぱり告白しちゃえなんて思った。
でもそれって『甘え』な気がして。
母さんと父さんの優しさに浸ってるだけで。
そんな考えが頭ん中を暴走するもんだから、
やっぱり答えがまとまんないわけよ。
これ、一番困るのがさ、今もそうってことだよね。
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作者名:淘蒼toa | 作者ホームページ:http://http://uranai.nosv.org/gen.php/novel/#nindex
作成日時:2022年8月10日 8時