好きだから。《紫》 (ページ14)

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side 辰哉

入院してから3ヶ月。

いつもは発作起きても数分で収まるはずなんだけど、はい、3ヶ月目です。

いやでもね？四六時中発作出てるわけじゃないし、そうだったら死んでるわ。

だけど、ちょくちょく来るんだよね。

一日に数回。

母さんと父さんはなんとかまだAにはバレてないらしい。

学校行きてぇな、

勉強なんか大嫌いだし、あんな堅っ苦しい制服も嫌い。

でも、人間ってのはさ、実際に失ってから学習するよね。

別に勉強が恋しくなったわけじゃない。制服が恋しくなったわけでもない。

佐久間が嫁嫁言ってんのも、ラウールが中学生のくせに俺らの高校の校門前で毎日待って、俺らが見えたかと思ったら『しょっぴー‼‼‼』って言ってんのも、そんときはただうるせぇな、だったけど

今となっては、その空気感が居心地よくて、好きだったんだなぁ。

ｺﾝｺﾝ

蓮「ふっかー？」

辰哉「あ、めめせんせ。はよー。」