蝶の片割れ【ハイキュー】【鬼滅の刃】

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春高予選に向けて、練習に励む毎日







新しい1年生のマネージャーも入ってくれて






より一層士気が高まっていた






いつものように大地と旭とすっかり暗くなった道を歩く






「あいつらほんと体力オバケだよなぁ」







「毎日自主練してるもんな」







「俺らも負けてらんねえべ！」






今日の練習の反省とか、後輩のこととか







そんな話をしながら帰っていると、ゆらりと俺らの前に現れた「なにか」







鋭い爪と牙を持ち、頭から角を生やしているその姿は人間ではないとすぐに分かる







ヨダレをボタボタと垂らしこっちに向かってくるそれらに







「あ、俺ら死ぬかも」なんてやたら冷静な頭が働いた







瞬間







蝶ノ舞 戯れ、なんて言葉とともに髪を靡かせた小柄な人物が俺らの前に現れた







瞬きした途端その化物から血が噴き出し、倒れる







はらはらと消えていくそれを見たところでようやく我に帰った








体が震えだして、息が荒くなる







二人も同じように顔を真っ青にして口元を抑えていた







すると黙って化物を見ていたその人物がくるりと振り返る







『・・・すみません、気持ちが悪いものをお見せしてしまいましたね』






・・・女の人？







この俺らよりも随分と小柄な女の人があの化物を倒したのか






目の前で起きた信じられない事態に頭が混乱する






三人で目を見合わせるとその人はゆっくりと近寄ってくる






そして俺の目元に手をかざすと、俺らに向かって目を閉じるように言った






『・・・今見たことは、全て忘れてください。夢ですから』







彼女がそう言った瞬間風が吹き、かすかに花の香りがした







風が止んでそっと目を開けるとそこにはあの女の人も化物の流した血も






まるで最初からなにもなかったかのように跡形もなく消えていた







「・・・夢？」








やけに重い体を引きずって家に帰った

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