4話 ページ5
津野崎に会った事を考えなくなった頃、非通知から電話がかかってきた。
至)「はい、もしもし」
『もしもし、ちー？私』
至)「…お前か」
電話は津野崎からで、そう言えば連絡先を教えてたな、と思い出した。
あ)『ごめん、連絡遅くなっちゃって』
待ってないと伝えると、酷いなーとたいして思ってないような言葉が返ってきた。
…そうだ、こいつはこういう奴だった。
あ)『いきなりで悪いんだけどさー、今日暇？飲みに行かない？』
至)「本当唐突だな。…今日は用事があるから無理」
あ)『ゲーム？だったら、やりながらでいいからさ』
めんどくさ。
溜息つきたいのを抑え、渋々了解した。
せっかくの休みに、わざわざ外に出る意味とは。
あ)『19時に駅前で』
至)「ん」
また後で、なんて言って電話を切られた。
強引で自分勝手な奴だった。
「あれ？至さん出掛けるんですか？」
玄関で靴を履いてると、買い物袋を下げた監督さんに会った。
勿論、お供付き。
「監督、早く中入ろ」
至)「ちょっとね。あ、今日夕飯いらない。ごめんね」
監)「気にしないで下さい！まだ作る前でしたし」
至)「ちなみに今日の夕飯は？」
監)「チキンカレーです」
またか。
昨日はスパイシーカレーとか言って、香辛料むちゃくちゃ入ってた。
辛すぎるってレベルじゃなかったんだよね。
あれをおいしいって言ってた先輩は、前世は悪魔か何かだと思う。
「…至、早く行けば」
至)「真澄、言われなくてもそうするけど、追い出そうとするな」
真)「…っち」
こらこら、俺の方が舌打ちしたいっての。
二人(？)に見送くられ、俺は駅の方に向かった。
あ)「あ、ちー！ここ」
10分前に出てきたはずなのに、津野崎はすでにいた。
あ)「何？そんな変な格好してる？私」
先に来てる女の子が久しぶりに見た気がして、どうやらガン見してたらしい。
格好が変だと勘違いした津野崎は、くるくるその場で回った。
それから一人納得して、
あ)「ま、いっか。ちーだし」
歩き始めた。
至)「待って、お店ってー」
あ)「あ、ごめん。勝手に予約しちゃった」
…抜かりないな。
至)「…いや、助かった。ありがとう」
あ)「やだ、ちー。丸くなったね」
至)「いてっ」
あ)「あ、ごめん。力強かった？」
力強いっての、このゴリラ。
ごめん、と両手を顔の前で合わせる姿は、昔のまんまで力が抜けた。
黒歴史なはずだったのに。
どこか懐かしい気持ちが芽生えてきた。
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なーこ(プロフ) - まるさん» 見落としてました…。すみません、気をつけます (2018年10月9日 12時) (
レス) id: bce89ec21f (このIDを非表示/違反報告)
まる - 作品を作る前にルールをしっかりご確認下さい。オリジナルフラグをちゃんと外して下さい (2018年10月9日 11時) (レス) id: 07f23207a7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なーこ | 作成日時：2018年10月9日 9時
