第147話 ページ50
演練の作戦を立ててからの手合わせは
いつもより気合いか入っていた
違う本丸へ演練を申し込むことは悪いことではない
だけど、今回の演練に関しては私情だ
刀剣男士を巻き込み、私達の今後を決めるだなんてあってはならない
こんな演練、受けるべきではない
だけど、あの審神者様の目には逆らえない
何を考えているのか分からない。それがとても怖いのだ
「A様、どうされました?」
『え?』
「ボーっとして、どうした?」
「疲れてるんじゃないか?」
『ううん。なんでもないよ。続けて』
「はい」
演練に向けての手合わせは私も見学している
見学を終えてから、本来の審神者の職務に戻る
1週間、それの繰り返しだ
「今日はここまでにしよう」
「あぁ。そうだな」
「そろそろ飯の時間だな」
「ちょうどお腹空いてきたところだ」
『みんな、お疲れ様。手合わせも良いけど、たまにはゆっくり__』
バタン!
「A様!」
[A!]
「おい!大丈夫か!しっかりしろ!」
頭がふわふわする
体が熱い
みんなの声がどんどん遠くなっていく____
目を覚ますと自分の部屋で眠っていた
『あれ?私__』
「過労から出た熱だ」
『薬研...』
「無理しすぎだ」
『無理だなんて__ゴホッゴホッ!』
「俺達の手合わせを見てからの大量の職務だ。夜遅くまでやってるんだろ?」
『うっ...』
「薬置いておく。後で飲めよ」
『ありがとう』
みんな忙しい
体調管理ぐらい、しっかり自分でしなきゃいけないのに
ダメだな、私...
[A、入るぞ]
『宗近さん』
[燭台切に、粥を作って貰ったぞ]
『ありがとうございます』
[どれ、俺が食べさせてやろう]
『じ、自分で食べれます』
幸い食欲があったのか
燭台切が作ってくれた粥を食べて薬を飲んだ
[無理をしすぎではないか?]
『そんなこと...』
[体調を整えるのも1つの仕事ではないか?]
『すみません...』
[いよいよ演練の日が近付いてきたな]
『はい』
[不安か?]
『少しだけ...』
[無理もない。この演練で今後のことが決まるのだからな]
『私、宗近さんとこれからも一緒に居たいです』
[俺も同じ気持ちだ]
『宗近さん...』
[約束しよう。必ず勝つ]
『はい。信じてます』
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作者名:ゆきんこ | 作成日時:2021年1月3日 9時