第145話 ページ48
喫茶店に入ると奥の席で、かすみさんが読書していた
『かすみさん、お待たせしました』
「Aさん。こんにちは」
『お久しぶりです』
「あの日、以来ですね」
『話とはなんですか?手短にお願いします』
「三日月さんのことで、話があるんです」
『三日月さんのことなら、もう私には関係ないです』
「関係ない?よく言えますよね。あの日、私達が来なかったらどうなってたことやら...」
『そ、それは...』
「私、あれから三日月さんに対して本気になったんです。いくら恋仲じゃないからとはいえ、1人の"女"として見られていないのは納得いきませんから」
『...そうですか』
「でも、いつまでたっても三日月さんは"女"として見てくれない。なら、Aさんの代わりになろうと思ったんです」
『代わり?』
「心が無理なら体でってね」
『えっ...』
「Aさんが恋しくて仕方ない時、寂しい時、三日月さんは私を求めてくれた。優しく、時には激しく...熱い夜を過ごしてきた」
『....っ』
「おじいちゃんだって、侮っていたけど...三日月さんって上手いのね?」
『私達は、もう終わってます。そんなこと言っても無駄ですよ』
「"私達"...気に食わない」
『え?』
「一瞬しか見てないけど、貴女を見つめる三日月さんの瞳は私には見せたことない。そして知らない男を見ているかのようだった」
『そんなこと...』
「貴女には分からない!あの日から三日月さんは貴女のことばかり考えています。だから、今度こそ綺麗さっぱり終わらしたい」
『どうやって?』
「演練を申し込みます」
『え、演練?』
「Aさんが勝てば三日月さんとやり直すなり、好きにすればいい。私が勝ったその時は三日月さんから手を引いて貰う。そして、貴女の本丸の三日月さんとも別れて貰います」
『ど、どうして!?宗近さんは関係ないじゃない!』
「"女"としてのプライドをAさんによって、傷付けられたんです。貴女の大切なものを奪って貴女にも傷付いて貰います」
『....』
「審神者様からは許可はおりています。寧ろ、楽しみにしていますよ」
『つまり、私に拒否権は__』
「無いってことよ」
『審神者様...』
「また日は改まって連絡させて貰うわ。せいぜい今を楽しむことね」
私のせいだ
私のせいで、みんなを宗近さんを巻き込むことになる
私が審神者にならなかったら...
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作者名:ゆきんこ | 作成日時:2021年1月3日 9時