第136話 ページ39
『宗近さん...』
「ちょうど良いところへ来たな。三日月宗近、俺はAが好きだ」
[そうか]
堂々と宗近さんに告げる三日月さんに対して
冷静に対応する宗近さん
「立場は理解している。だが、身を引くつもりはない」
[無論、同じく俺もそうだ]
「宣戦布告はしたぞ」
『あ、あの...』
「次に会う時は、覚悟しておいてくれ」
『...っ!』
再び三日月宗近VS三日月宗近になるのかと思うと恐ろしい
一体、私はどうしたらいいの?
お土産を選びながら私は頭の中で悩み続けることとなった
「ただいま戻りました。審神者様」
「おかえりなさい。かすみさん」
「今回の件ですが」
「全て見ていたわよ。事前に貴女に渡したカメラと盗聴機でね」
「そうでしたか...」
「やっぱりAちゃんは三日月のことを忘れてないようね。良いきっかけになったわ。これで、あの子はますます忘れることが出来ない。苦しめばいいわ」
「審神者様、やっぱり私__」
「貴女には断る権利はない。そういう契約でしょ?」
「そうですけど、今回のことでハッキリ分かりました。三日月さんは私のことなんて眼中にない。さすがに女として悲しいです」
「不満なら振り向かせても良いのよ?」
「え?」
「これからも監視頼むわよ。貴女は私に報告すればいい。ただ、それだけ」
「...はい」
「かすみよ。少し良いか?」
「なんでしょうか?」
「お主に話せばならないことがある」
「話、ですか?」
「俺はAが好きだ」
「昨日のあんなところ見たら誰だって分かりますよ」
「そうだな」
「さすがに驚きましたけど...」
「単刀直入に言おう。俺達の関係を終いにしたい」
「え?」
「恋仲のフリをしていることをAに話した」
「えっ...」
「恋仲のフリを続けるには限界があるだろう。いずれ分かることだ」
「どうして、そんなこと勝手に!」
「俺達に恋愛感情はない。そうだろう?」
「...っ」
「ならば、無理してこの関係を築く必要はない」
(私は審神者様との契約がある。命令には逆らえない)
「話は以上だ」
「...別れません」
「かすみ?」
「そんなにAさんが恋しいですか?でも、その想いは届くことはない。なら、代わりに私を抱けばいいじゃないですか」
「何を言って__」
「私がAさんの代わりになってあげます。三日月さんは私をAさんだと思って利用すればいい」
(心が無理なら体だけでも繋ぎ止める。私は契約の為ならなんだってするわ)
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作者名:ゆきんこ | 作成日時:2021年1月3日 9時