とある本丸の審神者には忘れられない刀がいます (ページ35)

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第132話ページ35

かすみさんとお酒を飲み、眠気に襲われながら
なんとか部屋に向かい歩いている

かすみさんは、もう少し呑むと言って
もう限界の私を帰した

やっぱり、お酒は弱いから呑むもんじゃないな

部屋まであと少し
あと少しだ

ガチャ

『はぁ、着いた～！』

ふかふかのベッドにダイブするように横になる

宗近さん、先に休んでるって言ってたはずなのに部屋に居ない

お風呂にでも入ってるのかな

それなら都合がいい
こんな、だらしない姿見られなくて済む

少しだけ寝よう

私の眠気は限界に達していたのか、スグに眠りに落ちた

ガチャ

『すーすー...』

「鍵が開いていたぞ。珍しく無用心だな」

『ん～...』

「寝ているのか？」

誰かの声が聞こえる
宗近さんかな？

『ん～？』

「お主、何故ここに？」

『へ？』

「お主の部屋は隣ではなかったか？」

ゆっくり瞼を開けると、そこには宗近さんではなく三日月さんが部屋に居た

『えっ！？ど、どうして！？』

「此処は俺とかすみの部屋だ。Aの部屋は隣だ」

『じゃ、じゃあ私、間違えて！？』

「はっはっは。そのようだな」

『す、すみません！私酔ってて＿＿』

フラッ

「おっと...」

勢いよく立ち、ふらつく私を三日月さんが支えてくれた

「今はゆっくり休むといい。かすみも一度呑みだすと長い。スグには戻らんだろう」

そう言い、私をベッドに寝かす
それを素直に受け入れてしまうのは
きっと、お酒のせいだ

「水、飲むか？」

『あ、ありがとうございます』

「はっはっは。30分も共に居ないことをみれば、酒は弱いようだな」

『はい』

「酒はあまり体に良くない。無理はするな」

頭に手をポンッと置き、そのまま撫でられた
こんなことされたら、昔を思い出してしまう

三日月さんには、今かすみさんがいる

『ダメですよ。こんなの、かすみさんに見られたら...』

「言ったはずだ。かすみとは恋仲ではないと」

『例えそうだとしても！』

「一目惚れというやつやもしれんな」

『え？』

「お主とは今日会ったばかりだが、俺はAに惹かれている」

『...っ！』

嘘...

三日月さんが私を？

どうしよう
ダメなのに、私には宗近さんが居るのに
嬉しいのは、どうして？

もしかして、私、まだ三日月さんのこと好きなの？

もう未練なんてないはず

私が好きなのは宗近さんだ

なのに、三日月さんから目が離せない

混乱している中、三日月さんにキスをされ
私の頭の中は真っ白になった