第124話 ページ27
あっという間に花火大会、当日になってしまった
審神者様は、今回の為にと私と三日月さんに浴衣をプレゼントしてくれた
着付けを終え、加州に化粧をして貰っている
「Aが自ら化粧をしてほしいなんて珍しいこと言うよね」
『初デートだし、それに...』
「それに?」
『少しでも綺麗にしておかないと、三日月さんと釣り合わないでしょ?』
「そういうことね...」
話しながら器用に化粧をしていく加州
現世で働くなら芸能人のメイクアシスタントしてそうだよな...
「はい、完成」
『ありがとう』
「楽しんで来なよ。デート」
『正確に言えばWデートだけどね...』
「ほら、早く行かないと約束の時間に間に合わないよ」
『本当だ!三日月さん呼ばなきゃ!』
マイペースな三日月さんのことだ
お茶を飲んで部屋で寛いでいるだろう
『三日月さん、入りますよ。そろそろ時間です。早く急いで__』
部屋に入ると、審神者様に用意して貰った浴衣を着ている三日月さんの姿
[世話をかけるな。今、着替えが終わったところだ]
『い、いえ...』
[どうだ?似合っているか?]
『は、はい。とてもカッコいいです...』
[はっはっは。そうか]
いつもとは違う浴衣姿に見惚れてしまった
何を着ても似合うのは分かっていたが、こんなの横で歩かれたら釣り合わない
[化粧をしているのか?]
『は、はい。加州がしてくれて...』
[よく見せてくれ]
『は、はい』
[綺麗だ]
『本当ですか?』
[あぁ。しかし、Aが化粧か。珍しいな]
『これは、その...三日月さんとの初デートだから...少しでも綺麗にしたくて』
[そなたには十分に魅力がある。これ以上俺をどうするつもりだ?]
『え?』
[出来ることなら、他の男には見せたくないな]
『そ、それを言うなら私だって!三日月さんの浴衣姿、素敵ですし惹き付けられない女性は居ませんよ』
[ふむ...俺はそなたを惹き付けられればそれで良いのだがな]
『...っ!』
三日月さんは、いつも私が欲しい言葉をくれる
それが嬉しい反面
三日月さんには全てお見通しのようで恥ずかしい
『十分、三日月さんに...宗近さんに惹き付けられてますよ』
[ここで宗近と呼ぶか...]
『え?』
[そなたは、俺を煽るのが上手いな]
頬を撫でられ少し触れるだけのキスをして
首筋に印をつけた
『あっ...』
[A...]
『む、宗近さん、そろそろ行かなきゃ...』
[...名残惜しいな。続きは帰ってからにするか]
『...はい』
私達は本丸を後にした
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作者名:ゆきんこ | 作成日時:2021年1月3日 9時