第123話 ページ26
電話をかけてきたのは審神者様
まるで、私達の邪魔をするかのようなタイミングだな...
『はい』
「もしもし、Aちゃん？急にごめんなさいね」
『いえ。なんでしょうか？』
「この前の交流会で会えなかったから、どうしてるかと思ってね」
『そうですか』
「そっちの三日月とは順調のようね」
『え？』
「交流会の時に見させて貰ったわ」
あの時、審神者様は居なかったはず
もしかして、どこかで見られてた？
『審神者様には関係ありません』
「関係ないだなんて酷いわね」
『....』
「貴女に折り入って話があるの」
『話ですか？』
「えぇ」
嫌な予感しかしない
「かすみさん、三日月が初めての彼氏みたいでね。どうしたら良いのか分からないそうなのよ。そこで、同じ刀剣男士と付き合ってる貴女に色々教えてあげてほしいのよ」
『は？』
「しかも、貴女は二振りの刀剣男士と付き合っている。十分な先輩よ？まぁ、同じ刀だけどね」
かすみさんに教える？
何が言いたいのか、さっぱりだ
「私、良い案が浮かんだのよ」
『良い案？』
「Ｗデートよ」
『だ、Ｗデート？』
「そう。近々、花火大会が開催されるのよ。そこで、色々教えてあげて」
『どうして私が彼女に＿＿』
「記憶はないけど、三日月は貴女が好きだった。貴女の何が良かったから知らない。だけど、同じ刀剣男士の心を掴んでいるのなら、貴女から学ぶのがちょうど良い」
『私に断る権利は＿＿』
「もちろん無いわ。なかなか進展しないから、これを機会に上手くいってほしいのよ」
『....』
「話は以上。また連絡するわ」
『ちょっ！ちょっと待って下さい！』
一方的に電話を切られてしまった
かけ直してみても電話に出ない
勝手すぎる
私に恋のキューピッドになれというの？
審神者様の考えは相変わらず分からない
「花火大会？」
『うん。現世では夏祭りの時期なんだ』
「お祭りか〜。楽しそう！」
『Ｗデートじゃなければね...』
「2人で抜け出せば良いんじゃない？」
『そういうわけにはいかないよ』
「Aって変に真面目だよね」
「僕達も祭りやりたい！」
確かにお祭りは、まだこの本丸ではやってなかったな
『いいね！みんなで屋台出してやろう！』
「やったー！」
みんなでお祭りしてる方が何倍も楽しそうだな...
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作者名：ゆきんこ | 作成日時：2021年1月3日 9時
