とある本丸の審神者には忘れられない刀がいます (ページ23)

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第120話ページ23

朝、目を覚ますと趣味に囲まれた見慣れた部屋だった
唯一、違うのは隣に三日月さんが居ることだ

三日月さんは気持ちよさそうに眠っている

急なお泊まりになり、お父さんの服を借りたが
三日月さんが着るだけでこうも変わるんだな

お泊まり...
本丸では一つ屋根の下だから、お泊まりにならない
ということは、これは朝帰りというやつ！？

私にそんな日が来るなんて思わなかった
いや、誰も思ってないだろうな

"『今日、このまま泊まっていきませんか？』"

"『ほ、本丸には私から連絡します。今日は2人きりで過ごしたいな...なんて』"

我ながら恥ずかしいこと言ったな...
あの流れの雰囲気なら、なるようにはなったのに
何で、あんな誘い方しか出来なかったんだろう
他に何か良い案なかったのだろうか

[A、おはよう]

『み、三日月さん！起きたんですね。おはようございます』

[宗近、だろう？]

『まだ、慣れなくて...』

[はっはっは。昨夜のそなたは、たくさん俺の名を呼んでくれたのだがな]

『...っ！』

[顔が赤いぞ？]

『三日月さんが思い出させたんです！』

[はっはっは。愛らしかったなぁ]

『～～っ！三日月さん！』

[はっはっは。すまんすまん]

『もう...』

[それにしても、このべっどとやらは、ふかふかで寝心地が良かった]

本丸では普段は敷布団を使っているから
三日月さんはベッドを使うのは初めてだもんな

私も敷布団かベッドなら、ベッド派だ
さすがに、全員分のベッドを買う予算はないから本丸では使えないな

『あっ！お母さんが朝食を用意してくれるみたいです。着替えて行きましょう』

[うむ]

リビングに行くと朝食が用意されていた
懐かしい光景だな

『おはよう』

「おはよう」

「昨日は熱い夜だったみたいね」

『えっ！？ど、どうして！？』

「私の部屋、Aの隣じゃない」

『あっ...』

そうだ
本丸とは全く構造が違う
何も考えてなかった

『ご、ごめん』

[すまない。Aの愛らしい誘いだったのでな。断ることが出来なかった]

『ちょっ！三日月さん！』

「はぁ、冗談よ」

「え？」

「どんな夜を過ごしたのかな～って、からかっただけ」

『もう！お姉ちゃん！』

「でも、これでバレちまったな～」

「初めての朝帰りってどんな気分？」

『ど、どんなって言われても...』

「Aも大人になったわね～」

「それな！」

[はっはっは。今日も賑やかだな]

『はぁ...』