第118話 ページ21
三日月さんと、部屋で寛いでいる
この部屋に三日月さんが居ることが不思議で仕方ない
[大丈夫か?]
『何がですか?』
[三日月宗近のことだ]
『...っ!』
[あの時、辛そうな顔をしていた。まだ、そなたの心は__]
『三日月さんとは、もう終わったじゃないですか。なのに、どうして聞くんですか?』
[すまない...]
『いえ。私の方こそ...』
三日月さんは心配して聞いてくれてるんだ
なのに、私ったら...
[...俺は少し焦っていたのかもしれん]
『え?』
[そなたにとって、あやつの存在は大きかったからな]
『...正直、複雑な気持ちもありました。でも、今私が付き合ってるのは三日月さんです』
[A...]
私はいつまで三日月さんを不安にさせているんだろう
三日月さんが私の辛そうな顔を気付くように
私にだって分かる
どうしたら三日月さんを安心させてあげれるのだろう...
[A]
『は、はい』
[俺はそなたの特別でありたい。そこでだ、呼び名を変えてみないか?]
『呼び名ですか?』
[あぁ]
『でも、三日月さんは天下五剣ですし...』
[俺は刀だが、そなたの彼氏でもある]
『それは、そうですけど...』
[恋仲になると、下の名で呼んだり、あだ名で呼んだりすると乱から聞いてな]
乱ちゃんの入れ知恵か...
『では、みっちゃんとか?』
[それでは、燭台切と被ってしまうな]
『貞ちゃんが呼んでましたね』
何が良いだろ?
[...宗近はどうだ?]
『えっ...』
[皆には三日月と呼ばれているからな。少し違う名で呼ばれたい。一度、試しに呼んでみてくれ]
『い、いきなりハードルが高すぎます!呼び捨てだなんて!』
[俺もそなたを呼び捨てにしている。お互い様だ]
それを言われると言い返せない
これで、三日月さんが少しでも安心出来るなら!
[む、宗近...さん]
呼び捨ては無理だ!
さすがに恥ずかしい!それに顔が見れない!
三日月さん、納得いかないよね?
三日月さんの顔を恐る恐る見ると
顔を赤くしていた
『あ、あの、三日月さん?』
[すまない。今、顔を見ないでくれ]
私に顔を見るなと阻止する三日月さん
もしかして...
『照れてます?』
[...情けない]
三日月さん...
『宗近さん』
[...っ!]
『こっち向いて下さい』
[今まで通りにしよう]
『私の特別になりたいって言ったのは三日月さんですよ?』
[だが...]
照れ臭いのか、なかなか私の顔を見ない三日月さん
そんな姿を愛しく思った
私は三日月さんの顔に手を伸ばしキスをした
45人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ゆきんこ | 作成日時:2021年1月3日 9時