第100話 ページ3
三日月さんに恋仲が出来た？
「とても良い子よ。元気で可愛くて性格も良い。私の跡継ぎに相応しいわ」
『あ、跡継ぎ？』
「えぇ。優秀な跡継ぎを探していたのよ。私の跡を継ぐんだから、ちゃんと教えないと」
『つまり、相手の方は...』
「見習い審神者よ」
『...っ！』
「以前の貴女と同じね？」
『審神者様、貴女は何を考えて...』
「見習い審神者だけど、私は彼女を気に入っててね...政府に頼んで、この本丸に残って貰うことになっているの」
『そ、そうなんですか...』
頭が追い付けない
見習い審神者は卒業をすれば自分の本丸を持つのが普通だ
審神者様が言っていることは前代未聞だが、跡継ぎ扱いなのならばアリということなの？
「彼女が三日月の恋仲よ」
『え？』
審神者様が目を向ける視線を向けると
そこには笑っている三日月さんと女性が居た
「三日月さん！」
「かすみか。どうした？」
「三日月さんを見つけたから声かけちゃった」
「はっはっは。そうか」
もしかして、あの人が？
「名前は、かすみさんよ。可愛くて、元気で、料理も出来て、気も遣えて、おまけに性格も良いのよ」
『そう、ですか...』
「初めて会った時から、お互い惹かれあっていてね。三日月ったら、猛アピールしちゃってね〜。今じゃ誰にも引き離せないぐらい愛し合っているわ。子供もスグ出来るんじゃないかしら」
『....』
「孫として育てるのが楽しみだわ。刀剣男士と審神者の子供なんだから。しかも天下五剣よ？優秀で美しいに違いないわ」
私には関係ない。もう、関係ないのに...
嫌だ。聞きたくない
これ以上は＿＿
[俺達もそう遠くはないぞ]
「は？」
[俺とそなたの子供は、さぞ愛らしいだろうな]
『え？』
「な、何を言ってるの？貴方たちはただの＿＿」
[恋仲だが、どうした？]
『三日月さん！？』
[俺達も愛し合っている。先を越すことになるやもしれんな。はっはっは]
三日月さんは目で私に合わせろと伝えてきた
そうか。演技か...
『そ、そうですね』
「...そ、そうなの？」
『は、はい』
[話はもう良いか？]
「え、えぇ...」
[では、行こう]
『はい』
手を差し出す三日月さんの手を握り返した
(くっ...！まだ、三日月のこと好きだったんじゃないの！？あの子を苦しめる次の手を考えなくちゃ)
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作者名：ゆきんこ | 作成日時：2021年1月3日 9時
