とある本丸の審神者には忘れられない刀がいます (ページ20)

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第117話ページ20

久しぶりに帰って来た我が家は何も変わっていない

「こんなカッコいい男、どこで捕まえたのよ！」
顕現です

「でしょでしょ！あのAだよ！信じられない！」

「あの姉ちゃんに春が来たんだな」

私も信じられないよ

「私がもうちょっと若かったらな～！」

「お母さんは無理無理！」

[盛り上がっているところだが、俺はA以外のおなごには興味がなくてな]

『...っ！』

「付き合ってどれぐらい？」

『2カ月かな』

「姉ちゃんの何が良いんだ？俺には分からねぇ」

[はっはっは。Aには愛らしいところが、たくさんあるぞ]

「どこまで進んでるの？」

『へ、変なこと聞かないでよ！』

「その反応...姉ちゃんやる～！」

『～～っ！』

ダメだ
この調子じゃ、三日月さんに迷惑かける

『三日月さん、私の部屋に行きましょう』

[あぁ]

「ごゆっくり～！」

部屋に入ると忘れていたことを思い出した
そう。私の部屋はオタク部屋になっていることに

漫画やフィギュアにポスター
見習い審神者になる前までの私の趣味だ

こんなの、三日月さんに引かれてしまう

[ふむ。ここがAの部屋か]

私の部屋中を見て回る三日月さん
三日月さんにとって、不思議なものばかりなのだろう

『すみません。女性らしくなくて...』

[なに、気にすることない。この部屋はそなたの好きなものが詰まっているのだろう？]

『それは、そうですけど...とても、男性に見せれる部屋じゃないです。彼氏とか部屋に入れるなんて想像も出来なかったし』

[では、俺が初めてか？]

『はい。家族も呆れて入って来なかったです』

[....]

三日月さんが黙ってしまった
やっぱり引いたよね

『あの...』

[そうか。俺が初めてか...]

『三日月さん？』

[いや、嬉しくてな]

『嬉しい？』

[そなたの初めてになれたことだ]

『え？』

[俺しか知らないのだろう？]

『は、はい』

[これらは、そなたの大事な物だ。それを見れて俺は嬉しく思うぞ]

『三日月さん...』

まさか、そんなことを言われるだなんて思わなかった

[だが、俺達に出会う前までそなたの心の中には、この者達が居た。そなたの心を独占していたのか...]

『三日月さん？』

[妬けるな]

『キャラクター相手にですか？』

[可笑しいか？]

『だって、生身の人間じゃないですよ？』

[それでもだ。俺が知らないところで、そなたはこの者達と過ごしてきた。気にならないことはない]

まさか、キャラクター相手に妬くなんて...
なんか、可愛いな