第116話 ページ19
交流会が終わりを迎えようとしていた
あの光景が頭から離れない
三日月さんも気を遣ってか、今は何も聞いてこない
「あの!そこの貴女!」
『え?』
私に呼び掛ける声がし、振り返るとそこには
恋人繋ぎをしているかすみさんと、三日月さん
『...何か用ですか?』
自分でも驚くぐらい冷たい声が出た
「さっきはすみません。あんな恥ずかしいところをお見せしちゃって...」
『...私には関係ありませんから』
「つ、つい気持ちが上がってしまって...」
「はっはっは。今日のかすみは珍しく大胆だったな」
『話はそれだけですか?それじゃあ__』
「貴女、櫻木Aさんですよね?」
『どうして...』
「審神者様から、聞きました」
『審神者様から?』
「...三日月さんと、恋仲だったんですよね?」
『...っ!』
「大丈夫。このことは三日月さんは気付いてませんから」
かすみさん
もしかして、あの時わざと...
「せっかくの機会ですし、連絡先交換しましょう!」
貴女は審神者様と同じだ
何を考えているのか、分からない
[お主、本当に何も覚えていないのか?]
「なんのことだ?」
[...Aは俺が幸せにする。必ずだ]
「....」
会場を出ると、夕方だった
本丸は、もうすぐ夜ご飯かな
なんて、そんなことを考えていないと
あの光景を、また思い出してしまいそうだ
[A、疲れただろう。少し休憩しよう]
『そうですね』
近くにあった公園のベンチに座り夕日を眺める
公園には数人の子供が楽しそうに遊んでいる
可愛いな...
気持ちが少し紛れそうだ
「あれ?A?」
『え?』
「久しぶりー!帰って来てたなら言いなさいよ!」
『お、お姉ちゃん!?』
公園に偶然現れたのは、私のお姉ちゃんだった
「もしかして、隣に居るのって彼氏?」
『う、うん』
[三日月宗近だ]
「男の存在を全く感じられなかった、Aにこんなカッコいい彼氏居るなんて信じられない!お母さんに知らせなきゃ!」
『えっ!?ちょ、ちょっとやめてよ!三日月さんだって困るし__』
[俺は構わんぞ。そなたの家族なのだろう?挨拶していこう。刀剣男士としても、彼氏としても]
『...っ!』
「よし!そうと決まれば行くよ!」
『ちょっと待ってよ!』
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作者名:ゆきんこ | 作成日時:2021年1月3日 9時