第113話 ページ16
4月がやって来た
そう。交流会がやってくる
年に数回行われる交流会
審神者同士の交流は大事だが...
審神者様と顔を合わすとなると緊張より恐怖が勝つだろう
「A様、少し話があります」
『どうしたの?』
「交流会の日の近侍は俺でしたよね?」
『うん。順番にいけばそうなるね』
「交流会には、三日月を連れて行った方が良いのでは?」
『どうして?』
「見習いの時にお世話になった審神者様も警戒は必要ですが、あちらの三日月宗近が来るのであれば三日月も気になるでしょう」
『でも、昔の話だよ?今は三日月さんと恋仲だし』
「それでも、俺が三日月の立場なら気になります」
『そっか...』
「信頼してはいても、気になるものですから」
『わかった。気遣い、ありがとう』
「三日月には俺から言っておきます」
『うん』
長谷部に気を遣わせてしまったな
三日月さんとは、もう終わってる
向こうにも相手が居るのだから、もう関係ない
交流会の日がやって来た
せっかくだから、ホワイトデーに三日月さんから貰った髪止めを着けてみた
「それ、三日月からのプレゼントだよね」
『うん。そうだよ』
「似合ってるじゃん。今日の着物にも合ってるし良いんじゃない?」
『ありがとう』
「三日月、それ作るの大変だったんだよ」
『聞いた。加州が教えてくれたんだよね?ありがとう』
「...最初は店で買ったらどうって言ったんだけどさ、Aがバレンタインに手作りチョコくれたから、俺も手作りで返したいって言ってきたんだよね」
『そうだったんだ...』
そんな理由があったんだ...
「大事にしてあげてよね」
『ふふ...大事だから、なかなか着けれないんだよね...それに、そんな話を聞いたら尚更だよ』
「惚気?」
『そ、そんなんじゃないよ!ただ、嬉しかったから...』
[これでは、髪止めに嫉妬してしまいそうだな]
『三日月さん!』
「髪止めに嫉妬って...」
[はっはっは。冗談だ]
『三日月さんと、出掛けるから着けて行こうと思って...』
[よく見せてくれ]
『は、はい』
[うむ。愛らしいそなたに、似合っている]
『あ、ありがとうございます』
髪止めと同じ桜色のように顔が染まっていくのが自分でも分かる
「はぁ...早く行かないと遅れるよ」
『あっ、本当だ!』
[では、行くか]
『はい』
三日月さんと手を繋ぎ、私達は本丸を後にした
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作者名:ゆきんこ | 作成日時:2021年1月3日 9時