第108話 ページ11
話が終わると三日月さんが早速、箱の中身を見ながら不思議そうにしている
初めて食べるものだから気になるのかもしれない
[これが、ぶらうにーか]
『はい。口に合うと良いんですけど』
[んっ。美味い]
『良かった』
ブラウニーを嬉しそうに食べる三日月さん
なんだか、可愛いな
『ふふ...』
[なんだ?]
『三日月さん、可愛いなって』
[男に可愛いはどうかと思うのだが...]
『そうですか?』
[好きなおなごにはカッコいいと思われたいものだ]
『...っ!』
改めて真っ直ぐに言われると恥ずかしいものだな
『み、三日月さんは...十分カッコいいですよ』
[...っ!]
『でも、恋仲になったんです。色んな顔見せてほしいです』
[色んな顔...]
『ヤキモチ妬いたって構わない。情けないなんて思わないです』
[....]
『カッコよくなくなっていい。ありのままの三日月さんを私は見たいです。三日月さんが、ありのままの私を好きになってくれたように...』
[...そなたには敵わんな]
『え?』
[あい、わかった]
三日月さんは優しく笑い頷いた
[さて、次はくっきーを食べよう]
『ふふ、どうぞ』
[変わった形をしているな]
『それ、ハート形です。ハート型は三日月さんだけですよ。でも、ちょっと失敗かな?』
[随分と可愛いことをするではないか]
『え?』
[はっはっは。そんなに俺が好きか?]
『えっ!?』
[どうなのだ?]
『〜〜っ!』
[そなたの口から聞きたい]
『す、好き...です』
[...A、口付けしても良いか?]
『は、はい』
[んっ...]
三日月さんの唇が優しく触れた
そして、ゆっくり離れていく
[A...]
名残惜しそうに私を見つめる三日月さん
その瞳に吸い込まれそうだ
[好きだ...んっ]
『んっ...』
何度も口付けを交わし合った
『んんっ...』
[んっ...はぁ]
『はぁ...三日月さん...』
[はっはっは。顔が真っ赤だな]
『三日月さんだって...』
[そうだな]
『ちょっと、苦しかった』
[すまない。恋仲になるまで我慢していたからな]
『やっぱり、そうですよね』
[なに、気にすることない。これからは、その必要ない。そうだろう?]
『へっ!?』
[はっはっは。愛らしいな。冗談だ。ゆっくりいこう]
『...三日月さんなら良いです』
[...参ったな。これでは、そなたを帰せんな]
『あ、あの...』
[今日の職務は終いか?]
『えっ、はい』
[ならば、今日は俺と共に過ごそう。夜が明けるまでだ...]
『...っ!』
[良いか?]
『...はい』
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作者名:ゆきんこ | 作成日時:2021年1月3日 9時