陽の目にも涙【巴日和】 (ページ8)

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日和君がお休みで私が仕事の日、お酒の付き合いもあっていつもは仕事が終わり次第すぐ帰ってくるのを何時間か遅くに帰ってきたらぎゅうぎゅうと抱きつかれた。

「もうっ!帰ってくるのが遅いね!待ちくたびれたよ!」

「飲み会ですよ〜。日和君も私のこと待たなくてもいいのに」

テレビには私が出ているサスペンスドラマが映っていて、日和君は本当に私が大好きだなあなんて嬉しくなる。

「そういえば日和君達セキララの館出るんだよね?」

「そうだね!撮影終わったら一緒に帰ろうね!」

「もちろん!ご飯まだだよね?すぐ準備するね」

エプロンを手に取り、キッチンに行こうとすると日和君にとめられた。

「ちょっと待って!今日は僕が作るね!」

日和君が...??

学生時代は彼の後輩であり相棒の漣ジュン君にご飯を作らせていたらしいけど、日和君って料理できるのかな。

ちょっと不安だけど、せっかく日和君から言ってくれてるから作ってもらうことにするか。

「ありがとう。じゃあお風呂の準備してくるね」

そう言って浴室に向かおうとしたら、これまたとめられる

「お風呂の準備はもう済んでるね!」

「え、ありがとう。せっかくの休みだしゆっくりしてても良かったのに」

毎日レッスンと番組出演とあれこれいっぱいの仕事に揉まれてるし、大変なはずなのに何だか申し訳ない。

「全然大丈夫だね!さあさあAちゃんはソファにでも座ってゆっくりしてるね!」

私が普段使ってるエプロンをつけ、日和君は私の肩を押してソファに座らせる。

「ありがとうね」

それにしても私が遅く帰ってきたら「飲みに行ってたんだね!?」「また男の人!?」と糾弾する日和君が進んでご飯を作ってくれる珍しい。

それにお湯はりも済ませて...。

「日和君なにか企んでる?」

「うーん、秘密だね。お楽しみ♪」

楽しそうに笑う日和君だけど、本当に何を企んでいるのか気になるところだ。

「できあがりだね!」

日和君の元気な声が聞こえて、ソファから立ち上がり食事用のテーブルを見れば、美味しそうなオムライスがあった。

「わあ!すごい美味しそう!」

「うんうん!僕が作ったから当然だね!さあ!食べようAちゃん!」

「うん。ん..??」

オムライスにケチャップで太陽のマークが書いていた

「わっ太陽だ!」

「うん!僕のはお花だね!」

日和君が嬉しそうに自分のオムライスを見せてくれる。

「Aちゃんの旧姓が"花橋"だから僕のはお花で、僕が"日和"だからAちゃんのは太陽だね!」