微睡みの中の ページ44
ふわっと目を覚ます。
まだ眠たいけど、こんなずっと寝てはいられない。
熱くて怠かったあの感覚はもう無かった。
代わりに、
「そのまま寝てたんや…」
時刻はもう7時半すぎを指す
なのにりゅうはまだ夢の中
俺と一緒に寝る〜とか言うておいて、ほんまに寝たらやばいやつやん…
そーっと肩を揺らす
「りゅう、もう夜ですよー」
声をかけてもピクリともせず、聞こえるのはふぅーっという寝息だけ。
お母さんに俺ん家寄るて言うてあるんかな？
言うてへんかったらそろそろ夕飯やで帰ってき〜って言われる頃
怒られたりせぇへんかな…
それにしてもほんまに顔整ってるよな…
寝てる時の顔はみんな子供みたいに可愛らしい。
でもりゅうは彫りの深い顔立ちに男らしい輪郭、
こんなイケメンが俺の事好きなんてありえへん、絶対俺よりも似合う子がおるはずなのに。
綺麗な顔をペチンと叩く。
「起きや、もう夜！」
連続でほっぺをパタパタする。
んぅという弱い声を出して目を開けた
青「んぅ、………」
そしてまたふぅと寝息が聞こえる
こりゃあかんわ。
「りゅう！はよ起き！もう7時半すぎ！」
少し大きな声で叫んでみるけど、なんやねんこいつ。
寝てる間はなんのアンテナも立ってない。
外部の音なんかまるで無視、ずっと夢の中。
ぐーっと手を引っ張って起こす
上体が軽く起き上がってきたあたりで、りゅうの携帯が鳴った
そっと覗くと(母さん)の文字。
いや、あかん、絶対怒られるやつ！
「りゅう！お母さんから電話来とるで起きて！もお……」
りゅうの目がパチッと開いた、そして大きな欠伸をして携帯をとるため手を伸ばす
その時にはもう電話は消えた
「りゅう寝起き悪いなぁ」
青「そうやろ〜」
欠伸しながら話す、いやそうやろ〜ちゃうねん
「もう7時半やで帰らな」
青「あぁ、まじか…」
寝起きってこんなに人ってふわふわするのか？
そして不意打ちに抱きしめられる
青「ともと一緒にいたい気分やったけど、このままやと怒られちゃうな」
えへへと笑う。
笑い事じゃないねんで、と思いながらもどきっと高鳴る胸。
「ほら、起きや？俺も元気なったし」
そしたらまた強く抱きしめられる
"もっとこのままでいたい"
小声で、耳元で、囁かれた言葉。
もう勝手にせぇ。と思ってもまた鼓動が早くなるだけ
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作者名：ゆき星 | 作成日時：2019年8月1日 22時
