10話 ページ11
橙side
たった今の話だ
黄｢なぁ、僕照史と住みたいんやけどあかん？｣
急に発せられた言葉に酷く動揺した
｢住むん？！｣
大声をあげる
そりゃびっくりするわ
でも考えた
淳太くんを今の状態で家には戻したくない
お父さんは仕事が忙しく帰ってくるのはいつも遅い時間だ。
と言っていた
でもこのまま酷いお父さんの所に淳太くんを戻してもいいのか
淳太くんの方を見ると儚げに笑った
このままじゃ壊れてしまう
何故か強くそう思った
｢ええよ。淳太くんを家に返す訳にもいかんしなぁ｣
淳太くんのことを1番に考えて出した結論だ
とは言っても淳太くんが家にいると俺も嬉しい
黄｢照史ありがとう｣
真っ直ぐなその瞳を見ると悪い気はしなかった
住むことになってから服やらなんやらうちから持ってこんとあかんやろ、ってことで
淳太くんは家に帰り中
お父さんは今仕事中でいないから出くわさずにすむ
そう言うことで待ってます
ご飯でも作っとこーって食品棚を見る
ずっと前から住んでたから保存できるようは食品はいくつだってある
これなら長いこと外出なくても生きれそうやけどな
適当に選んだ1年前のスパゲッティ
棚の奥から出てきたっていうのに賞味期限の長さに感動
そうやな…スパゲッティって考えてみれば3年くらい持つわ
スパゲッティを茹でた後に、またまた棚の奥から出したミートソースを温めてかける
スパゲッティって簡単やな
はよ食べたい、帰ってこい
もうそろそろかな？って所でインターホンが鳴った
もしかして荷物多すぎパターン？
ガチャっと開けると、
やはり大荷物の淳太くん
｢多いな｣
黄｢まだ引越ししてすぐやったから箱ごとやもん。｣
頑張ってここまで運んできたんやな
じゃあ手伝ってあげよ
空いてる部屋まで運び込む
そこは何年も使ってなかったからホコリ臭い
｢また明日くらいで片付けよな｣
黄｢ありがと、｣
そしたら急にお金を差し出してくる淳太くん
何この札束
｢え？｣
黄｢これさ生活費に当ててや、家にこんなんゴロゴロ転がっとるで沢山持ってきたわ｣
1番重たかったカバンの中身は札束だった
｢生活費か、｣
黄｢電気代、水道代含め、食事代やったり、
住まわせてもらってる分有難いし｣
なんか高校生っぽくないこと言ってんな
でも
｢一応そこ置いといてな｣
淳太くんと生活するためには必要なお金
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作者名：ゆき星 | 作成日時：2019年4月9日 23時
