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着いた先は、やっぱり当たってた。

それは思い出の展望台がある場所



 
 


『……やっぱり顔ひどい?』




何回も泣いてしまったから、

しっかり化粧もしたのにきっと崩れてる……





「ううん、めっちゃ可愛い」



でも、樹くんはそう言って笑ってくれる
 

そんな彼の言葉には何年たっても慣れないみたい





 
 
車から降りたら、自然と2人手を繋いで

カフェまで向かうと



「ねぇ、見てるこっちが恥ずかしいんだけど」


って久しぶりに会った北斗くんに突っ込まれた

 

 
私北斗くんのこと松村さんって呼んでたんだ……

なんか、逆に恥ずかしいな

 
 
 


「Aちゃんもう大丈夫なの?」


『はいっ。ご迷惑かけてごめんなさい
 ちゃんと北斗くんのこと思い出しました』


「本当?よかった〜」



柴犬みたいな北斗くんが嬉しそうに笑ってくれた

私がカフェで働いていた時は黒髪だったから

茶髪にして柔らかい雰囲気になってる







 
もう閉店の時間

周りにはもう私たち以外に人はいない





 
北斗くんが淹れてくれた

ココアと、ミルクティをそれぞれ

手に持って

たくさんの思い出話をして懐かしさに耽る


 
 
 


「ちょっと煙草吸ってくるわ」




 
そんなとき樹くんが席を外して、

少し静かになる店内には心落ち着く

ジャズが流れている
 
 



『ねぇ北斗くん』


「んー?」


『私が事故に遭ってからのクリスマスイブ
 ずっと貸してくれたの?』


「あー、そうだね。
 親父がAちゃんは絶対戻ってくるって聞かなくてさ」


『ふふ、社長さんのおかげなんだ』




 

本当にありがとうって頭を下げる
 
 
クリスマスイブだけ、私達のために貸切りにしてくれていた展望台。


記憶を無くしてから行った時、誰もいなかったのはそのせいだったんだ。



大切な日なのに……迷惑かけてしまったな


でも、そうじゃなきゃ

私は樹くんとまた逢えていなかった

 

あの写真だって、お母さんがこれだけはって

想って置いてくれてたみたい


全部、全部奇跡が重なって

今があるんだ
 
 


 
「あ、もう片付けするから

 樹のとこ行っておいで?」


『ありがとう、北斗くん』


「ううん、またいつでも来てね」



 
やっぱり柴犬みたいな人


もう絶対忘れたくない



頷いた私にあの日と同じように、

優しく手を振ってくれた
 

○→←○



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椿(プロフ) - ヒヨリさん» ヒヨリさんっ最後までお付き合い頂き本当にありがとうございます!!そう言って頂けて光栄です(TT)次のお話でもお会いできること願っておりますっ…… (2019年9月15日 21時) (レス) id: ae11041bb5 (このIDを非表示/違反報告)
ヒヨリ - 椿さん» めっちゃ面白かったです!!短編集も見させていただけます。 (2019年9月15日 19時) (レス) id: 61e4e164fd (このIDを非表示/違反報告)
椿(プロフ) - ヒヨリさん» コメントありがとうございます。そう言っていただけて本当に幸せです(;-;)ゆっくり更新で申し訳ありません。これからも楽しんでもらえるよう頑張ります!! (2019年8月29日 15時) (レス) id: ae11041bb5 (このIDを非表示/違反報告)
ヒヨリ - めっちゃ面白いです!更新頑張ってください。応援してます。 (2019年8月29日 13時) (レス) id: 61e4e164fd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:椿 | 作成日時:2019年8月21日 4時

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