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あれから俺はどうしたのか
今となってはもう覚えていない。
何も言わない俺に
Aの母親は最後にもう一度謝って、電話が切れた
あんなにも幸せだった世界が
こんな簡単に崩れるなんて
思ってもいなかった
何に対してもやる気の出ないまま
ご飯も喉を通らない毎日が過ぎて
数週間が経ったとき
2人の思い出の荷物を渡したいと
Aの母親から連絡が来た
あぁ、終わってしまったんだと
もう会えなくなるのかと
そう思ったら勝手に身体が動いて、
気づけばAのいる病院に来てしまっていた
.
何度も通った病室に向かってる途中
「……Aッ」
皆が集まる広場のような場所で
本を読んでいるAを見つけた
「……っ」
俺を忘れたと言う事実を知ることが怖かった。
でも、
部屋に戻るのか、席を立って松葉杖で歩く彼女が
俺の少し前で本を落とす
「……は、い」
『……ありがとう、ございます』
差し出した本と俺の顔をチラッと見て、
そう小さく頭を下げた。
遠くなる背中に
もう声をかけることはしなかった。
いや、できなかった。
俺は逃げたんだ。
.
「これ……あの子の部屋にあったもの」
「……ありがとうございます」
受け取ったAとの思い出は
きっとこれからも捨てることなどできない
「……、」
12月24日プロポーズした後に
北斗に撮ってもらった写真に写る
キラキラした景色よりもまけない
Aの笑顔があった
数えきれない思い出を抱えて
車の中、家に着いてからも
頬を伝う涙が止まることはなかった。
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椿(プロフ) - ヒヨリさん» ヒヨリさんっ最後までお付き合い頂き本当にありがとうございます!!そう言って頂けて光栄です(TT)次のお話でもお会いできること願っておりますっ…… (2019年9月15日 21時) (レス) id: ae11041bb5 (このIDを非表示/違反報告)
ヒヨリ - 椿さん» めっちゃ面白かったです!!短編集も見させていただけます。 (2019年9月15日 19時) (レス) id: 61e4e164fd (このIDを非表示/違反報告)
椿(プロフ) - ヒヨリさん» コメントありがとうございます。そう言っていただけて本当に幸せです(;-;)ゆっくり更新で申し訳ありません。これからも楽しんでもらえるよう頑張ります!! (2019年8月29日 15時) (レス) id: ae11041bb5 (このIDを非表示/違反報告)
ヒヨリ - めっちゃ面白いです!更新頑張ってください。応援してます。 (2019年8月29日 13時) (レス) id: 61e4e164fd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:椿 | 作成日時:2019年8月21日 4時