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.







「ただの飾りみたいなもんでさ……」




『……か、ざり?』






そうぽつりと話す田中さんは



雨の打ち付ける窓を

見ているのか、見ていないのか


何かを思い出してる

そんな様子だった






「うーん、何て言うか
 ……女の子よけっていうの?」




ちらっと私を見て、


俺モテるからさって


自慢げで悪戯な顔をする田中さんと

目が合う





全然話が見えなくて、戸惑う





『……、結婚は』



「……してないよ?

 してたらこんなことしてないよ」




え、


本当に?





「こー見えても俺、恋愛には結構一途だよ?」





頭の中のモノが


全て崩れ落ちる感覚







「だからさ……Aちゃん」




「好きになってよ、俺のこと」





『……っ、』


 



嬉しいはずなのに、



涙が止まらないのはどうしてだろう








『まだっ……私田中さんのこと何も知らない』



「そんなのゆっくりでいいよ」





全て受け入れてくれるような

そんな声で


俯く私の髪を

出会った時と同じように


優しく撫でてくれた

 

 

.


 



雨が止んで


雫の隙間から見える街が


移り変わっていく




 





田中さんも私のことを好きに

なってくれてたのかな



指輪の意味を信じてもいいの?

 

“ゆっくりでいい”

 

まるで私のことは分かってるみたいに

聞こえてしまう




田中さんは私の何を知ってるの……?




それでも、



 
「そんな見つめられたらはずいんだけど?」





そう言って笑う彼を



やっぱり好きだと思った。

 

adiant→←◯



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椿(プロフ) - ヒヨリさん» ヒヨリさんっ最後までお付き合い頂き本当にありがとうございます!!そう言って頂けて光栄です(TT)次のお話でもお会いできること願っておりますっ…… (2019年9月15日 21時) (レス) id: ae11041bb5 (このIDを非表示/違反報告)
ヒヨリ - 椿さん» めっちゃ面白かったです!!短編集も見させていただけます。 (2019年9月15日 19時) (レス) id: 61e4e164fd (このIDを非表示/違反報告)
椿(プロフ) - ヒヨリさん» コメントありがとうございます。そう言っていただけて本当に幸せです(;-;)ゆっくり更新で申し訳ありません。これからも楽しんでもらえるよう頑張ります!! (2019年8月29日 15時) (レス) id: ae11041bb5 (このIDを非表示/違反報告)
ヒヨリ - めっちゃ面白いです!更新頑張ってください。応援してます。 (2019年8月29日 13時) (レス) id: 61e4e164fd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:椿 | 作成日時:2019年8月21日 4時

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