Agapanthus (ページ22)

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･HS

都内のホテルの一室。

俺とユンギヒョンとジンヒョンとナムジュナはそれぞれソファに座ってくつろいでる。

どこかソワソワしているのは、午後七時になってもまだ待ち人が来ないから。

彼の仕事の予定なんて知らないし、仕方ないけど……ちょっとだけ焦る。

このまま来なかったら、あの動画を撮った脅しも意味が無くなる。

拡散なんてするわけない、あんなに可愛いAは後にも先にも俺たちだけのものだから。

YG｢……まあ、来ねえか。｣

JN｢やっぱり最初をマンネたちに任せるのがダメだった。｣

NM｢…ジンヒョンなら上手く洗脳しそうですね。｣

JN｢洗脳なんて人聞きが悪い。ただ、夢中にさせることなら容易いってだけだ。｣

相も変わらず酷い会話。

いつからこうだっけ、なんて考え始めようとしたその時。

部屋のチャイムが響き渡った。

JN｢……。｣

ジンヒョンは黙って、見てみたスマホを置いて足を組みなおす。

ナムジュナが立ち上がって扉へ向かったからその後をついていく。

扉はナムジュナが静かに開けて、向こうの人物を確認した。

｢……。｣

NM｢鍵を渡しただろう。｣

｢鍵を、返しに来ました、それだけです。｣

NM｢……。｣

Aだ。

仕事終わりの私服かな。

その服前も着てたね。

全部知ってるよ、でもね。

もっともっと知りたいんだ。

｢わっ、！｣

鍵を差し出した手を掴んで、招き入れる。

ナムジュナがしなかったから俺がしたよ。

｢いやだ、やめて、｣

抱きとめた胸の中で暴れるから、試しに首を絞めてみた。

｢ひっ、ぅ、｣

NM｢ホソガ。｣

HS｢大人しくしててね。｣

｢ぅ、……っ、｣

必死に首を縦に振るから、手を離す。

マンネたち、こんくらい……いやこれ以上しないと堕ちないってば。

既に涙目のAをリビングに連れていくと、ジンヒョンがAに駆け寄った。

JN｢A、どうして泣いてるの？何かされた？｣

｢……。｣

JN｢答えてくれなきゃ分からないよ。｣

頭を優しく撫でるジンヒョンの手を払って、Aはそのまま俯いた。

JN｢二人が何かしたなら謝る。ごめんね。ここに座れる？｣

ソファまで背中に手を添えて誘導すると、ストン、と腰が抜けたように座った。

不安そうな瞳が揺れて、俺たちを見回す。

ジンヒョンが正面のソファに座り、俺たちはそのまわりに適当に座る。

ジンヒョンが足を組んでから話が始まった。