Agapanthus (ページ18)

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･A

全員と握手を交わしてから、席に座る。

撮影はもう始まってるみたいで、僕は気を抜かぬように細心の注意を払う。

司会｢さて、皆さん準備が整いましたね。本日はドラマ"太陽と月"の主演のカン･Aさんとイ･リヨンさん、そして主題歌を担当するBTSの皆さんとの対談となります！｣

並びは向かって司会者、リヨンさん、僕、BTS。

司会者の進行でどんどん話が進んでいく。

ミニゲームなんかしたりして、互いに交流を深めながらドラマにちなんだ話題に応えたりしていた。

司会｢今回、リヨンさんとAさんは初共演となりますが、どうですか？お互いの印象は。｣

この質問も難儀なものだった。

リヨンさんはハキハキと可愛い弟のように思っていると思ってもないことを言ったし、僕もそれに応じて頼れる姉のような存在だと言った。

嘘っぱちの回答にも大袈裟にリアクションをする皆さんに申し訳ないと思ったけど、リヨンさんは相変わらずニコニコして……さすがだなって思った。

最後に全員で宣伝をして……監督のカットがかかって撮影は無事に終了した。

ry｢……。｣

カメラが回らないと、この人はちょっと無愛想で僕のことをガン見してくる。

今日はいつも以上に見てくるんだ。

なんなんだよ、と思いつつも今日はありがとうございました、なんて言って頭を下げ、立ち去ろうとしたその時。

腕を掴まれて後ろにグイッと引っ張られた。

｢わっ、｣

バランスを崩して腕を掴んできた誰かにもたれ掛かる。

YG｢Aくん、写真撮ってくれない？｣

SUGAさん……。

そんなに強く引っ張らなくても。

JN｢ヤー、ユンギずるい。｣

TH｢俺とも撮ろう？｣

JM｢僕も。｣

いつの間にか囲まれてしまった。

マネヌナ、ヘルプ……って、あれ。

いない。

あそこにいるって言ってたはずの場所やその周辺を探しても……いない。

NM｢ここじゃなんだし、控え室に戻ろう。｣

｢あ、｣

JM｢僕らの部屋の方が広いと思うし。ね？｣

グイグイ引っ張られて廊下まで出てしまった。

スタッフさんは仲睦まじげに見える僕らを微笑ましそうに見ている。

違うって、助けて。

｢ちょっと、まって、｣

TH｢待たないよ。やっと堂々と会えるんだもん。｣

｢へ、｣

JM｢あれ……覚えてないの？｣

やめて、言わないで、

JK｢俺たち昨日、｣

JN｢その話はあと。とりあえず部屋入るよ。｣

何にも聞きたくない。

僕の中の何かが、壊れてしまう気がするんだ。