Agapanthus (ページ17)

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･A

ry｢おはようございます、Aさん。｣

控え室でメイク中にリヨンさんが話しかけてきた。

僕の4つ年上で20歳。

｢おはようございます。｣

今日が撮影開始からちょうど3週間経ったくらいじゃないかな。

僕たちの距離は縮まらない。

いやまあ、ほら色々あるでしょ。

年下の僕が言うのもなんだけど売り出し中の若手女優さんだし、スキャンダルはご法度だよね。

その辺はあっちも分かってるみたいで必要な話以外はあんまりしないんだ。

｢ヌナー。｣

ry｢えっ、？｣

ん？

｢あ、いや、マネヌナ……｣

nm｢はいはーい、なあに。｣

｢あと何分？｣

nm｢もうすぐスタッフさん呼びに来るんじゃない？｣

｢はーい。｣

ry｢……。｣

うーん、その顔はなんだ、リヨンさん。

怒ってるのかな。

ヌナなんて図々しい、みたいな？

ごめんなさいってば。

ry｢あの。｣

｢はい？｣

リヨンさんが話しかけたその時。

ガチャりと扉が開いてスタッフの声が聞こえてきた。

staff｢そろそろスタジオ入りお願いします！｣

その声につられてスタッフたちが動き出す。

もちろん僕もヌナのあとについていく。

リヨンさん……何言いかけたんだろ。

mn｢このあとはバラエティあるからね。｣

｢はーい。｣

体力温存しとけってことなのかな。

はあ、さっさと終わらせて……いち早くここを立ち去ることを目標に今日も一日頑張ろう。

……まだズキズキする腰を労りながら、開かれたスタジオの扉の向こうに足を進める。

｢……。｣

反対側の扉から、大勢のスタッフと共に彼らも入ってきた。

できるだけ目を合わせないように……。

mn｢じゃ、私はここで見てるから。なんかあったらこっち見てね。｣

｢うん……。｣

先導のスタッフの後について行ったらマネヌナがどんどん人で埋もれていって見えなくなった。

マネヌナちっさいからな。

staff｢Aさんはここに座っていただいて、リヨンさんはここにお願いします！｣

｢はい。｣

僕より年上の共演者ばかりだし、まだ座らないでおこう。

リヨンさんもそう思ったのか立ったまま。

そしてついに……

NM｢こんにちは。｣

さわやかに微笑みながら……RMさんが一番僕らに近い椅子の前に立った。

この人は、大丈夫なひと、

HS｢よろしくお願いします！｣

この人はJ-HOPEさん。

その後ろからゾロゾロと、他のメンバーもやってくる。

僕が今日一番視界に入れたくない3人も。

TH｢よろしくね。｣