検索窓
今日:3 hit、昨日:3 hit、合計:31,215 hit

9 期待しても… ページ10

残された私とハウ君。周りの人達もだいぶん減ってきた。

「…A」

「…?どうしたの…」

ハウ君の体に包み込まれる。自分より少し大きな手が、私の体を抱きしめる。

「…はっ…ハウっ、君…!?」

「良かったー…」

耳元でハウ君の声が聞こえる。

「スカル団のボスと戦ってるって聞いて、すっごく心配したよー…」

「あ、の、ハウ…くん…」

心臓が飛び跳ねる。おかげで話が入ってこない。ドキドキと、胸が苦しい。

「わ、私は、大丈夫…だよ…」

「A、怖かったんでしょ?」

…戦い終わっても怖かったの、気がついてたの?
眉を下げて笑うハウ君は、私の頭を撫でる。

「ちょっとは落ち着けたー?」

「…うん…ありがとう…」

何度ハウ君に助けられただろう。そして、何度心臓の鼓動が高鳴っただろう。こんなに近くにハウ君がいる、それが嬉しい。

「…じーちゃん言ってたよね、ポケモンや人に出会うことで人生は面白くなるって……おれー面白いんだけどーそれだけじゃだめなのかなー?」

…ハウ君も悩んでるんだね。深刻そうな顔から、パッと表情が変わる。

「そーだ!これねー、あげるよー!じっとしててー!」

ハウ君に言われた通り、じっとする。髪を触られ、何かを留める。

「…ピン…?」

「うん!ピカチュウのピンだよー。お店で見つけたからあげよーと思ってて忘れてたー!」

ハウ君は頭の後ろに腕を組んで笑う。可愛い、と言葉を口にするハウ君に、私はグッ、と拳を握る。

「ハウ君、は…私以外の子にもそういうのって…言う、の?」

「えー?…Aだけだよー」

…そんなの、期待してしまう。抱きしめられて、可愛いなんて言われて。それで期待しちゃいけないなんて、逆に無理だ。

「ねー!カプの村だっけー?一緒行こー!」

「え?あっ、ちょっ!」

ハウ君は私の腕を引っ張り走り出す。

(…アツアツロトね〜!)

ロトムはニヤニヤと私の顔を見る。何を思ってるか知らないけど、今の私にはそんなこと考える暇などない。今にも胸が張り裂けそう。

「あ!そーだ、ドデカバシ見せてー!」

「う、うん、ポケモンを元気にしてからでもいいかな…?」

私がポケモンセンターを指差すと、ハウ君はそっか、と手を叩きポケモンセンターへ駆け込んでいく。忙しいなぁ…

10 用心棒のアドバイス→←8 破壊阻止



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (89 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
137人がお気に入り
設定タグ:ポケモンSM , ハウ   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

アオ - 新しい話ありがとうございます!何だろう、かなりシリアスな感じな筈なのにこのほのぼの感...。ハウ君とヨウ君は癒し系なのかな...?本当にこの2人のやり取りは大好きです! (2019年7月14日 16時) (レス) id: 8667d85b1f (このIDを非表示/違反報告)
なの(プロフ) - わぁあ!更新待ってました…!とても好きな小説なので今か今かと楽しみにしてました!mintoさんの生存確認ともに出来て良かったです!ぜひ体調にお気をつけてこれからも頑張ってください!! (2019年6月30日 22時) (レス) id: 82351da6a8 (このIDを非表示/違反報告)
minto(プロフ) - ユリさん» 大変お待たせ致しました…!応援ありがとうございます! (2019年6月30日 19時) (レス) id: 202178676a (このIDを非表示/違反報告)
ユリ(プロフ) - 続き気になります。更新頑張ってください (2019年6月12日 18時) (レス) id: 2e6c718a02 (このIDを非表示/違反報告)
アオ - もちろんこれからも応援させていただきます! (2019年4月20日 22時) (レス) id: c3f27a3751 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:minto | 作成日時:2017年12月5日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。