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諦められない ページ10

新一がいない今日に限って、陰口を言われてる。
……新一がいるときは、新一がいるから何も言われない?……もしかして。

……新一が私を、守ってくれてたり。

「……それはないか」

新一が好きなのは蘭ちゃん。
私のことなんて、どうでもいいはず。
もし守ってくれてたりしたら、それは腐れ縁でだからで、ただ同情してるだけだから。

だけど、なんて考えちゃう私は、やっぱり新一のことが、好き。
どうして諦められないんだろう?


その日の放課後。

「Aちゃん、ちょっといい?」
「……うん、なに?」

クラスのリーダー的存在の、和花ちゃんとその友達が、私を呼び出した。身を固くする。

美月ちゃんと遥樹くんが、大丈夫?って私を心配そうに見たけど、うん、と頷いて笑う。
頑張って、って美月ちゃんが言った。

「Aちゃんてさ、新一くんが好きなの?」
「え」

この質問、今日2回目だ。

「それとも、遥樹くん?」
「ちがうよ……」
「じゃあやっぱり、新一くんが好き?」
「……」

言わなきゃ。
好きじゃないよ、って。
私と新一はただの幼馴染だよ、って。

「わたしと、新一は……」

言おうとした言葉は、喉の奥につっかえて出てこなかった。

「新一くんは、なに?」
「……ただの……」
「ただの?」
「……」

和花ちゃんの鋭い瞳。
睨まれてる。こわい。

「はっきり言ってくれない?」
冷たい声に肩が震えた。
怖がるな、私。

「……ただの、幼馴染だよ……」
「幼馴染?そうなんだ。ならいいけど」
「……なにが、いいの?」

思わず聞く。

「だってAちゃんばっかり、ずるいもん」
「ずるい?」
「新一くんにも優しくされて、遥樹くんとも仲良くて」
「……新一が、私に優しい?」

「優しいじゃない。新一くん、他のクラスの子がAちゃんの悪口言ってるの聞いたとき、その子たちのこと睨んでたよ」
「え……?」

私が他のクラスの子に悪口言われてたのもびっくりだし、新一が睨んだっていうのにも、びっくり。

「新一が……そうだったんだ……」
「でもそっか、幼馴染だから、新一くんはAちゃんに優しいんだ」
「わたしに?」
「新一くんて、私たちには、あんまり優しくないんだよ」
「……」
「冷たいわけじゃないけど、ちょっと他人行儀っていうか」
「へえ……」
「私たちは、どうでもいいっていうような感じ」
「……」

驚きで、声が出ない。絶句。
……新一のことが、よくわからない。

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極・吹雪姫 - ちょっとびっくりしたのが、弟の瑞紀(みずき)と私の「ミズキ」が被ったことだわね。 (2019年5月2日 20時) (レス) id: c4455a25af (このIDを非表示/違反報告)
極・吹雪姫 - ごめんなさい、本当に途中で泣きそうになったわ。「泣く」ですわ。泣いたページ。 (2019年5月2日 20時) (レス) id: c4455a25af (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - こいつらまだ小学生だった…!なんつー濃い恋愛を…!この小説すごく好きです!遥樹くんのちょっとした嫉妬がこぼれて、それを見てとても切なくなる。ヒロインの気持ちはよく理解できるけど、やっぱり遥樹くんがいちばん好きです! (2019年3月11日 10時) (レス) id: 7ac5223945 (このIDを非表示/違反報告)
松野かほ(プロフ) - 遥樹くんの読み方を今初めて知った← (2019年2月13日 15時) (レス) id: 45fd1e6358 (このIDを非表示/違反報告)
みお - この小説好きです!正直言うと新一より遥樹くんの方が好きだったのでくっついて欲しかったなぁって思ってます() (2018年6月8日 19時) (レス) id: 0646f7c2e0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みやの | 作成日時:2018年3月1日 22時

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