好きだったんだよ ページ47
卒業式。
可愛いブレザーを着て、胸には綺麗なお花をつけて、すっかり卒業生って感じ。
元々そんなに思い入れのない学校だったし、どっちかって言うと、嫌いな学校生活だったし、そんなに寂しさは感じない。
式中、周りが泣いてる中私や新一は冷静で、冷たい人、って思われたかもしれない。
でもまあいいや。気にしない。
大山さんと高橋さんも違う中学に行くって聞いて、嬉しくなる反面、遥樹くんとお別れだ、って悲しくなる。
遥樹くんのお父さんは、本格的に海外に拠点を置くことに決めたみたいで、春休みにはもう日本を離れるみたい。
遥樹くんとお別れの挨拶をしてたら、今になって涙が出てきた。
「遥樹くん、今までありがとう……」
「わっ！Aちゃん泣かないでー！」
「だってぇ……」
「きっとまた会えるよ！」
「うん、きっとだよ……！」
「もちろん！あ、ほら！Aちゃんもピアノのために海外きたら、もしかしたら会えるかもだし！」
「……私が？海外？」
「そう！Aちゃんも、挑戦してみたら？海外進出！」
「ええ！無理だよ！」
「そんなことないよ！応援してる！」
「……ありがとう」
遥樹くんに応援されて、さらに涙が溢れる。
ああ、こんなに泣いたの久しぶり。
「A！」
泣き止むのに必死になってたら、新一に呼ばれた。きっと家族で写真撮るから、とかそんな理由だ。
「待ってー！」
「早くしろよー！」
急かされても、足が新一の方に向かない。
だって、多分これが遥樹くんと最後の会話。
もっと話さなくちゃ。
「Aちゃん、もういいよ」
「でも！」
「じゃあ、最後に聞いてくれる？」
「……うん、なに？」
遥樹くんが私を抱き寄せた。
「遥樹くん？」
「俺ね、ずーっと前からAちゃんのこと、好きだったんだよ」
「うん、私も好きだよ」
「ふふ、そうじゃなくて」
「え？」
「一人の女の子として、好きなんだよ」
遥樹くんがそう言って、私の頬に、そっと優しくキスをした。
「……え」
呆然と立ち尽くす。
頭がまっしろ。え？どういうこと？
遥樹くんが、私のことが好きだったって言った。
……うそ。そしたら、わたし。
遥樹くんに、今まで、ひどいことばっかりしてた。
「……遥樹くん……」
震える声で名前を呼ぶ。
「わたし……」
「困らせてごめんね、Aちゃんは工藤くんが好きでしょ？」
「……」
「そんなことわかってて、諦めなきゃ、っていつも思ってた」
遥樹くんが、ぽつりぽつりと語り出した。
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極・吹雪姫 - ちょっとびっくりしたのが、弟の瑞紀（みずき）と私の「ミズキ」が被ったことだわね。 (2019年5月2日 20時) (
レス) id: c4455a25af (このIDを非表示/違反報告)
極・吹雪姫 - ごめんなさい、本当に途中で泣きそうになったわ。「泣く」ですわ。泣いたページ。 (2019年5月2日 20時) (レス) id: c4455a25af (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - こいつらまだ小学生だった…！なんつー濃い恋愛を…！この小説すごく好きです！遥樹くんのちょっとした嫉妬がこぼれて、それを見てとても切なくなる。ヒロインの気持ちはよく理解できるけど、やっぱり遥樹くんがいちばん好きです！ (2019年3月11日 10時) (レス) id: 7ac5223945 (このIDを非表示/違反報告)
松野かほ(プロフ) - 遥樹くんの読み方を今初めて知った← (2019年2月13日 15時) (レス) id: 45fd1e6358 (このIDを非表示/違反報告)
みお - この小説好きです！正直言うと新一より遥樹くんの方が好きだったのでくっついて欲しかったなぁって思ってます() (2018年6月8日 19時) (レス) id: 0646f7c2e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みやの | 作成日時：2018年3月1日 22時
