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ただ隠してるだけ ページ41

「ね、一つ聞いていい?」
「なあに?」
遥樹くんが私の瞳を見つめる。

「工藤くん、ほんとにAちゃんのこと守ってたの?」
「……え?」
「俺が守ってやるから、って、守ってくれてたの?」
「……どういうこと?」
「Aちゃんさ、大山さんと高橋さんに二人に明らかに妬まれてることはわかる?」
「……うん……」
「二人以外に、工藤くんの近くにいるAちゃんを見てる他の人の視線、気にしたことある?」
「そんなの、気にしたことなんて……」

言いたいことがわからなくて、戸惑う。
だけど心のどこかでは、なんとなく察そうとしてる。怖いよ、聞きたくない。

「じゃあ言っちゃうけどね、Aちゃん、結構色んな人から妬みとか羨望とか買ってるんだよ」
「……」
「今は大山さんと高橋さんの嫌がらせが大きくて目立たないけど、他のクラスとか下級生とかも、酷いこと言ってるの聞いたよ」
「……うそ……」

よくは思われてないのは、なんとなくわかってた。
だけど、まさか、下級生とかからも悪口とか言われてるなんて。気づいてなかった。

「知らなかったでしょ?」
「……うん」
「それはね、きっと、工藤くんがいるからだよ」
「……新一が」
「工藤くんがね、そういう視線を遮って見えないようにしてるの」
「……」
「Aちゃんはそれを守られてるって思ってるみたいだけど、それは守ってるとは言わないよ」
「……え?」
「ただ隠してるだけ。Aちゃんには見えないように、蓋をしてるだけだよ」
「……」
「現実はね、消えないよ。いつか必ず気づく、隠しきれないものなのに」
「きえない……」
「うん。工藤くんは、Aちゃんに現実を見せないで、どうしたいんだろうね?」

言葉が出なかった。
唇が震える。

そんなわけない、とか、どうしてそんなこと言うの、とか、言い返したいのに。
口を塞がれてるみたいに、声が出てこない。

「……わたし、嫌われてるんだ……」
やっと絞り出した声も、震えた。

「私は、守られなくてもいいように、強くなりたいの……」
「うん」
「実際、強くなれてると思ってた……」
「うん、なれてるよ。ただし、現実を見せられないままね」
「……どうしたらいい?」

このままじゃあ、つらいことは何一つ教えてもらえない。
この先も、守られてばっかり。
……そんなのは嫌。

「Aちゃんと工藤くんは、生まれたときから一緒にいるんだよね?」
「うん、そうだよ」

遥樹くんが、はは、と苦笑した。

狭い私の世界→←強くなったね



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極・吹雪姫 - ちょっとびっくりしたのが、弟の瑞紀(みずき)と私の「ミズキ」が被ったことだわね。 (2019年5月2日 20時) (レス) id: c4455a25af (このIDを非表示/違反報告)
極・吹雪姫 - ごめんなさい、本当に途中で泣きそうになったわ。「泣く」ですわ。泣いたページ。 (2019年5月2日 20時) (レス) id: c4455a25af (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - こいつらまだ小学生だった…!なんつー濃い恋愛を…!この小説すごく好きです!遥樹くんのちょっとした嫉妬がこぼれて、それを見てとても切なくなる。ヒロインの気持ちはよく理解できるけど、やっぱり遥樹くんがいちばん好きです! (2019年3月11日 10時) (レス) id: 7ac5223945 (このIDを非表示/違反報告)
松野かほ(プロフ) - 遥樹くんの読み方を今初めて知った← (2019年2月13日 15時) (レス) id: 45fd1e6358 (このIDを非表示/違反報告)
みお - この小説好きです!正直言うと新一より遥樹くんの方が好きだったのでくっついて欲しかったなぁって思ってます() (2018年6月8日 19時) (レス) id: 0646f7c2e0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みやの | 作成日時:2018年3月1日 22時

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