検索窓
今日:1 hit、昨日:87 hit、合計:925,374 hit

どこが好きなの? ページ37

「喧嘩した日?」

……ああ。
もしかして。
抱きしめられてたってこと、聞いたのかな。

「私たち、新一くんに近づかないでって言ったじゃない!」
「それなのに抱き合ってたって?成宮さんと新一くんは、ただの幼馴染なんだよね?」
「……そうだよ……」
「じゃあなんで抱き合ってたの?」
「それは……昔から……」
「はあ?昔?いつから?」
「小さい頃から……」
「だから今更抱きしめられてもどうも思わない?」
「……それは、」
「ねえ、ホントに付き合ってないの?」
「付き合ってないよ!」
「じゃあさ、もう新一くん近づかないでよ!」
「それはむり……」
「どうして!」
「やっぱり好きなんでしょ!」
「そうじゃないよ……」

やっとだだの幼馴染、って思えるようになってきたのに。
この二人は、私が新一を好きって、どうしても言ってほしいんだ。

「私が新一のこと無視しても……」
「無視しても、なに?」
「新一くんの方から喋りかけてくるって?」
「……」
「なにそれ、新一くんが成宮さんのこと好きなわけでもないのに」
「幼馴染なんでしょ?それ、ただ情がわいてほっとけないだけでしょ」
「……しってる」
「え?」
「そんなこと、しってるよ……」

新一が私を妹として見てて、構ってくれるのも、兄として放っておけないだけだってこと、知ってる。

私はどう頑張っても、一生妹から抜け出せない。
新一は、私に兄妹愛をくれるだけ。
異性としての愛は、もらえない。

そばにいるのに、みてくれない。
だから、諦めたのに。

どうしてこの二人に、言われなくちゃならないの。もう、無理。

「……大山さんと高橋さんは、どこが好きなの?」
「え?」
「急になに?」
「二人は、新一のどこを好きになったの?」
「そんなの決まってるじゃない」
「顔でしょ」

二人か当然のように言った。

「それだけっ?」
「他にある?」
「性格は?」
「は?」
「性格はみてないの?顔だけなの?」
「性格って……」
「新一くんが私たちに優しくしてくれたことなんて、一度もないのよ」
「あんたと毛利さんにばっかり優しくして、全く相手にしてくれない」
「新一くん、私たちを恨めしそうに見るんだもの」

こわい。
怖いけど。言わなくちゃ。

「それは二人が私に嫌がらせするからじゃないの?」
「はあ?」
「相手にしてくれないのは当たり前でしょ、だって顔だけしか見てないんだもの!」
「だからなんなのよ!」

大山さんが、声を張り上げた。

ムカつく→←階段の踊り場



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (372 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
956人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

極・吹雪姫 - ちょっとびっくりしたのが、弟の瑞紀(みずき)と私の「ミズキ」が被ったことだわね。 (2019年5月2日 20時) (レス) id: c4455a25af (このIDを非表示/違反報告)
極・吹雪姫 - ごめんなさい、本当に途中で泣きそうになったわ。「泣く」ですわ。泣いたページ。 (2019年5月2日 20時) (レス) id: c4455a25af (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - こいつらまだ小学生だった…!なんつー濃い恋愛を…!この小説すごく好きです!遥樹くんのちょっとした嫉妬がこぼれて、それを見てとても切なくなる。ヒロインの気持ちはよく理解できるけど、やっぱり遥樹くんがいちばん好きです! (2019年3月11日 10時) (レス) id: 7ac5223945 (このIDを非表示/違反報告)
松野かほ(プロフ) - 遥樹くんの読み方を今初めて知った← (2019年2月13日 15時) (レス) id: 45fd1e6358 (このIDを非表示/違反報告)
みお - この小説好きです!正直言うと新一より遥樹くんの方が好きだったのでくっついて欲しかったなぁって思ってます() (2018年6月8日 19時) (レス) id: 0646f7c2e0 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:みやの | 作成日時:2018年3月1日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。