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階段の踊り場 ページ36

扉のとこに突っ立って、腕を組んだまま私をじーっと見つめてる。いや、睨んでる。

「……今?」
「今。早く来てくれる?」

ひいい。
なにこの威圧感!
女王様みたい!

「……もうすぐで授業始まっちゃうよ?」
「だからなによ」
「サボるの?」
「少しくらいいいじゃない」

ふ、不良だ……。
こわい。
こ、ころされそう。
睨み殺されそう!

「ほ、放課後じゃダメかな……?」
「なんで?」
「チャイム鳴っちゃうし……先生に怒られるし……」
「そんなこと気にするの?」

そんなことって。

「まあでも、放課後の方がゆっくり話せるし」
高橋さんが笑いながら言った。

「そうね、じゃあ放課後また来るから」
「逃げないでね?」

語尾に圧力をかけて言った。
脅しだ。
どうしよう、放課後どうなっちゃうんだろう。

「Aちゃん、大丈夫?」
千花ちゃんが聞いてきた。

「大丈夫じゃない……」
「そうだよね……」
「あの二人、まだAちゃんの悪口言ってるの?」
「多分……」
「放課後聞いてくるのも、絶対新一くんのことだよね」
「うん……」
「新一くんに付いてきてもらったら?」
「それはヤダ……さらに恨み買っちゃう」
「確かに……」
「遠くで見ててもらう?」
「ううん、大丈夫……。さすがに殴られたりはしないだろうから」
「そうかな」
「何かあったらすぐに言ってね?」
「うん、ありがとう」

始業のチャイムが鳴った。
自分の席につきながらも、心の中は恐怖でいっぱいだった。


あっという間に放課後。
解散になったら、さっそく大山さんと高橋さんが私を呼びにきた。

「成宮さん」
「ついてきて」
「……うん」

和花ちゃんと千花ちゃんに心配そうに見られて、大丈夫、と笑った。
けど本当は大丈夫なんかじゃない。
泣きそうなくらい怖いよ。

二人に連れられて来たのは、人目につかない階段の踊り場。

まさか階段からつき落とされる?
ああ、嫌なことばっかり想像しちゃう。

「……それで、話って……?」
「わかってるでしょ?」
「新一くんのことよ」
「……」

やっぱり新一のことか。
嫌がらせされることはあっても、直接話してくることなんてなかったのに。

「……新一が、なに?」
「とぼけないでよ!」
「朝遥樹くんと話してたじゃない!」
「朝……?」

遥樹くんと話してたことが、どうして新一に繋がるんだろう。

「あんたと新一くんが喧嘩した日!」

あんたって言われた。

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極・吹雪姫 - ちょっとびっくりしたのが、弟の瑞紀(みずき)と私の「ミズキ」が被ったことだわね。 (2019年5月2日 20時) (レス) id: c4455a25af (このIDを非表示/違反報告)
極・吹雪姫 - ごめんなさい、本当に途中で泣きそうになったわ。「泣く」ですわ。泣いたページ。 (2019年5月2日 20時) (レス) id: c4455a25af (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - こいつらまだ小学生だった…!なんつー濃い恋愛を…!この小説すごく好きです!遥樹くんのちょっとした嫉妬がこぼれて、それを見てとても切なくなる。ヒロインの気持ちはよく理解できるけど、やっぱり遥樹くんがいちばん好きです! (2019年3月11日 10時) (レス) id: 7ac5223945 (このIDを非表示/違反報告)
松野かほ(プロフ) - 遥樹くんの読み方を今初めて知った← (2019年2月13日 15時) (レス) id: 45fd1e6358 (このIDを非表示/違反報告)
みお - この小説好きです!正直言うと新一より遥樹くんの方が好きだったのでくっついて欲しかったなぁって思ってます() (2018年6月8日 19時) (レス) id: 0646f7c2e0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みやの | 作成日時:2018年3月1日 22時

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