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好きなタイプ ページ35

教室に入ったら、和花ちゃんと千花ちゃんが新一の机の前で楽しそうに笑ってた。

話しかけられてるのに、一切反応してない。
鬱陶しそうにしてる。
新一の無反応ぶりを気にしてない二人もある意味すごい。

新一が私に気づいて、助けろ、と目で言ってきた。

「千花ちゃん、和花ちゃん」
「あ!Aちゃんやっと来た!」
「ちょっと待って、今お土産渡す!」
「うん」

二人が自分の机に戻って、自分のランドセルを漁ってる。

「助かった……」
はぁー、と新一がため息をはいた。
よかった、機嫌直ってるみたい。

「ちょっとくらい反応したら?」
「ヤだよ、なんで俺の好きなもんなんて言わなくちゃなんねーんだよ」
「好きなもの?」
「好きな女のタイプとか食べ物とか」
「ああ、きっとそれ、『好きなタイプはお前だよ』って言ってほしいんだよ」
「うげー……」

新一が本気で嫌そうに顔をしかめた。
私もだけど新一も二人に失礼すぎ。

「新一の好きなタイプは蘭ちゃんだもんね?」
「……」

否定しないんだ。

「好きな食べ物はレモンパイ?」
「おー……」
「好きなものはやっぱりシャーロック・ホームズ?」
「あたりめーだろ」
「ふふ」
嬉しそうに笑った新一に笑う。

「Aちゃーん」
和花ちゃんが私を呼んだ。

二人のところに行く。
「なにー?」
「これ!おみやげ!」
「私からも!」
「わあ!ありがとう!」

千花ちゃんからはストラップをもらって、和花ちゃんからは、両手ほどの大きさの箱をもらった。

「和花ちゃん、これなに?」
「開けてみて!」

和花ちゃんに急かされて箱を開ける。

「これ……」
「オルゴールだよ!」
「かわいい……」

中に入ってたのは、ピアノ型のオルゴール。
白いピアノに、お花や金色の装飾が施されてる。すっごくかわいい。

「ありがとう!大事にする!」
「うふふ、嬉しい!」
「千花ちゃんのストラップも!二人とも、どこに行ったの?」
「私は沖縄!」
「私はフランスに行ったよ」
「海外!いいなー!」

ピアノ漬けだった私と比べて、充実した夏休みを過ごしたんだなぁ、ってしみじみ思う。
ピアノ頑張るって決めたのは私だけど、羨ましい。

二人の思い出話に花を咲かせていたら、クラスメートに肩を叩かれた。

「Aちゃん呼んでって言われたんだけど」
「私?だれ?」
「隣のクラスの……」

ドアのところに立ってる人を見て、唖然とした。

「成宮さん、ちょっと来て」

大山さんと高橋さんが私を見つめていた。

階段の踊り場→←兄妹のスキンシップ



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極・吹雪姫 - ちょっとびっくりしたのが、弟の瑞紀(みずき)と私の「ミズキ」が被ったことだわね。 (2019年5月2日 20時) (レス) id: c4455a25af (このIDを非表示/違反報告)
極・吹雪姫 - ごめんなさい、本当に途中で泣きそうになったわ。「泣く」ですわ。泣いたページ。 (2019年5月2日 20時) (レス) id: c4455a25af (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - こいつらまだ小学生だった…!なんつー濃い恋愛を…!この小説すごく好きです!遥樹くんのちょっとした嫉妬がこぼれて、それを見てとても切なくなる。ヒロインの気持ちはよく理解できるけど、やっぱり遥樹くんがいちばん好きです! (2019年3月11日 10時) (レス) id: 7ac5223945 (このIDを非表示/違反報告)
松野かほ(プロフ) - 遥樹くんの読み方を今初めて知った← (2019年2月13日 15時) (レス) id: 45fd1e6358 (このIDを非表示/違反報告)
みお - この小説好きです!正直言うと新一より遥樹くんの方が好きだったのでくっついて欲しかったなぁって思ってます() (2018年6月8日 19時) (レス) id: 0646f7c2e0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みやの | 作成日時:2018年3月1日 22時

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