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読書の秋 ページ16

二日ぶりくらいに、二人で登校する。
教室に入ったら、遥樹くんが、仲直りできたの?って聞いてきた。うん、と答える。

「よかったね!」
「うん!ありがとう!」

ああ、遥樹くんっていい人。
仲直りしたことを、自分のことのように嬉しがってくれる。

「新一!Aちゃん!」
「蘭ちゃん!おはよう!」
「おはよう!新一、熱下がったんだね、よかった」
「おう」

蘭ちゃんが新一を見て、嬉しそうに笑う。
二人でおしゃべりしてるけど、大丈夫。
いちいち嫉妬とかはしない。
強くなるって、決めた。


.




「もう秋だねー」

新一と蘭ちゃんと、いっしょに帰る。
道には落ち葉がたくさん落ちていて、どこからか、コオロギの声が聞こえた。

日の沈む時間も早くなってる気がする。
足元から伸びる自分の影を見つめながら、口を開く。

「ねぇ、秋といえば、スポーツの秋、食欲の秋、芸術の秋、とか言うでしょ?」
「睡眠の秋、行楽の秋、とかな」
「コウラク?」
「山とかで遊んで楽しむこと」
「へぇー!」
蘭ちゃんが、そうなんだ!って言った。

「他にも、実りの秋とか音楽の秋とかって言うけど」
「紅葉の秋とかもな」
「そうそう。でも私にとっての秋って、やっぱり読書かなぁ、って思うの」
「あー、俺もかなぁ……」
「Aちゃんも読書好きなんだっけ?」
「うん。新一の影響で、本が大好きになったの」
「おれ?」
「小さいころ、新一シャーロック・ホームズ読んでたでしょ?そのとき、私も一緒に読んでたんだよ」
「そうだったっけ……」

覚えてないのかな。
ちょっと悲しい。
探偵ごっことかやってたのに。

「それからいろんな小説読んでたら、私の部屋が本で埋まって、気づいたら本だけの部屋とかができちゃったの」
「書斎?」
「そんな感じ」
「新一の家にもあるよね、書斎!」
「父さんの本だけどな」
「優作さんには負けるな。4869冊あるんだっけ」
「確かそう言ってた」
「じゃあ私は5000冊めざそうかな」

ははっと笑い合う。
「蘭ちゃんは?秋と言ったらなに?」
「うーん、スポーツかなぁ」
「空手?」
「そう!」
「空手たのしい?」
「楽しいよ!」
「そうなんだぁ」

蘭ちゃんが空手をやってる姿を想像してたら、あ!そうだ!と蘭ちゃんが言った。

「どうしたの?」
「今度ね、大会があるんだけど、二人で見にこない?」
「大会?」
「そう!初めての大きな大会なの」

蘭ちゃんが、ふふ、っと微笑んだ。

しゃべってた→←仲直り



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極・吹雪姫 - ちょっとびっくりしたのが、弟の瑞紀(みずき)と私の「ミズキ」が被ったことだわね。 (2019年5月2日 20時) (レス) id: c4455a25af (このIDを非表示/違反報告)
極・吹雪姫 - ごめんなさい、本当に途中で泣きそうになったわ。「泣く」ですわ。泣いたページ。 (2019年5月2日 20時) (レス) id: c4455a25af (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - こいつらまだ小学生だった…!なんつー濃い恋愛を…!この小説すごく好きです!遥樹くんのちょっとした嫉妬がこぼれて、それを見てとても切なくなる。ヒロインの気持ちはよく理解できるけど、やっぱり遥樹くんがいちばん好きです! (2019年3月11日 10時) (レス) id: 7ac5223945 (このIDを非表示/違反報告)
松野かほ(プロフ) - 遥樹くんの読み方を今初めて知った← (2019年2月13日 15時) (レス) id: 45fd1e6358 (このIDを非表示/違反報告)
みお - この小説好きです!正直言うと新一より遥樹くんの方が好きだったのでくっついて欲しかったなぁって思ってます() (2018年6月8日 19時) (レス) id: 0646f7c2e0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みやの | 作成日時:2018年3月1日 22時

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