＊ ページ15
チャポン、とお湯が揺れる。
後ろの部長が少し動いた。
……私は微動だにしないまま。
「……肩、上がってんぞ」
そっと、後ろから肩に両手を添えられる。
たったそれだけで、ビク！と更に跳ね上がる肩。
「う、うるさいです……」
「はっ、ここまで緊張すんのかよ」
ぶ、部長が普通過ぎるんですよ！
必死に探した乳白色の入浴剤を投入して、急いで髪と体を洗って、湯船に浸かって部長を呼んだ。
部長は少し陽気な声で返事をして、まぁまぁの勢いでドアを開けて、私が縮こまって入っている湯船にザブンと入った。
鼻歌でも聴こえそうなくらい、部長は楽しげだ。
だってさっきから。
「こっち向けって」
「やです、一緒にお風呂に入るという使命は果たしました！もうこれ以上は」
「何で？何が嫌なの」
「何がって、それを女性に聞きますか！恥ずかしいんですよ！」
「もう全部見たじゃねぇか」
「そういうことじゃなーい！」
……あ。
勢いあまって部長の方を向いてしまった。
くく、といつものように笑う部長。
いや、……肩は撫でてるように見せかけて筋肉質で、お風呂の縁に添えてある腕が長くて、熱気のせいか汗が額から流れてる……とんでもなくカッコいい人がそこにいた。
「やっとこっち向いた」
ぎゅ、って部長自ら近づいてきてくれて、抱きしめられる。
うぅ、湯船の中、色々気になることはあるけど、でも……
「あったかい……」
「何、お湯より？」
「うん……」
「俺熱でもあんのかな」
そうボケてくれた部長だけど、きっと真意は知ってる。
部長に抱きしめられたら、その温かさでいつも私はぽーっとしちゃう。
「不思議だな」
「……ん？」
「風呂の中で見るスッピン、いつも以上に可愛い。何でだろうな」
「……私も、お風呂の中の櫻井さん、余計にカッコいいなって」
「へぇ、……ん、可愛い」
ちゅ、ちゅ、って何度もキスをくれる。
この酸素が薄い中でするキスは、いつもよりも熱量を感じる。
それに、溺れる。
「……ここで、もっとしてとか言うなよ」
「言いましょうか？」
「だめ。我慢できなくなる。明日早いから今日は何もしない」
「……そうなんですか？」
「……変なことしないでって言ったのはお前だろ……」
「もうしてる癖に、」
私からもキスを落とす。
櫻井さんを感じずに明日を迎えるなんて無理です、そう伝えると。
「俺だって本当は無理だよ……」
部長の甘い言葉と声とキスと。
熱い波に溺れた。
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cori(プロフ) - Yuriさん» いつもありがとうございます！そろそろ帰国してほしいなーと思ってます笑 次移行しますのでもう暫くお待ちください！ (2019年6月4日 7時) (
レス) id: d86fdce482 (このIDを非表示/違反報告)
Yuri - いつも楽しく読ませていただいています！翔くんが帰国するお話が気になります！更新、待ってます！ (2019年6月4日 4時) (レス) id: d785c31dd6 (このIDを非表示/違反報告)
cori(プロフ) - kaz2nsariさん» はじめまして、コメントありがとうございます！ニヤニヤしていただけたとのこと、とっても嬉しいです…！早く帰ってきてもらわないと、まだ書きたいことたくさんあるので…！また覗きに来てくださいね〜！ (2019年5月28日 0時) (レス) id: d86fdce482 (このIDを非表示/違反報告)
kaz2nsari(プロフ) - はじめまして！読ませていただきましたが、終始ニヤニヤが止まりませんでした！！翔くんがNYから帰ってきたあとのお話が気になります！！ドキドキ。。 (2019年5月27日 19時) (レス) id: f127e1252b (このIDを非表示/違反報告)
cori(プロフ) - きみきみさん» こちらにもコメントありがとうございます！名前呼びをしてみました。仕事以外で部長と呼ぶとすこぶる怒ります笑 いつかのニノさんで言ってたことを言わせてみました。絶対履いてると思います笑 また来てくださいね！ (2019年5月22日 17時) (レス) id: d86fdce482 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：cori
| 作成日時：2019年3月26日 19時
