【部長と、甘い夜】 ページ1
「半年間、待てないものが一つだけあるから。……貰っていい？」
「ふふ。奇遇ですね、私も、」
あの日。
部長と心が通じ合った日。
私の言葉は部長の唇に吸い込まれていった。
心が通った、と実感した後のキスって、こんなに気持ちいいんだ。
溶ける。蕩ける。
目を閉じているせいか、自分の意識が全て唇に向いている。
「……あー、」
「あー？」
部長が、唇を少しだけ離し、声を出す。
「どうしたんですか」
急にキスを止められた。
ちょっとだけ、不機嫌に聞いてみる。
実際そうだし。
「あーいや、うん、」
「何ですか……」
部長って、仕事中はパキパキしてるし、言い淀むことなんて滅多にないのに、私と居る時は結構物事を考えてから話す。
リラックスしてるのかもしれないけど。
「……一つ、言いたいことがあるんだけど」
「だから、何ですか」
「俺の荷物」
「は？」
俺の荷物？
今日のカバン？
へ？知らないよ、何急に。
「……俺の大量の荷物」
「はぁ？なん、」
「ここに置いていってもいい？」
意味が分からなかったのは一瞬で、すぐに言葉の意味を理解出来た。
「それ、って」
「……待っててくれねぇかな、この家で、俺のこと」
「……」
「今の部屋は解約する。んで……俺が帰ってきたら、……引っ越さないか」
「引っ越す……」
「この家には、お互い思い入れが多すぎるだろ。新しい所で、俺らの関係を始めたい」
「……何か、櫻井さん、重い」
「はぁ？」
「嘘、嬉しい」
ぎゅ、っと部長の首に両手を回す。
そのまま抱き着いて、耳に、「早く一緒に住みたい」って囁く。
部長の肩が少しだけ固まる。
「お前のお父さんにも挨拶に行かなきゃな……」
「お父さんビックリしますよ！またイケメン連れてきたーって、あ」
……やっちゃった。
部長の前で雅紀を連想させるようなこと。
「……お前、」
「ごめんなさい」
「いいけど。お互い過去があるのは当然だし」
「……」
「まぁでも、俺の方が幸せにするけどね」
「へ？」
「ん？黙って」
部長から話を切り出したくせに、また部長は私の言葉を唇で塞ぐ。
強引だ。
これからの人生、ずっとこの強引な部長と生きていく。
……この強引さも愛しい、私はきっと重症だ。
「……ベッド行く？」
そう言って部長は私をお姫さま抱っこし、寝室に連れて行く。
「間取りを知ってるとスマートですね」
「……便利だな」
クス、と笑っておでこにキスをくれた。
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cori(プロフ) - Yuriさん» いつもありがとうございます！そろそろ帰国してほしいなーと思ってます笑 次移行しますのでもう暫くお待ちください！ (2019年6月4日 7時) (
レス) id: d86fdce482 (このIDを非表示/違反報告)
Yuri - いつも楽しく読ませていただいています！翔くんが帰国するお話が気になります！更新、待ってます！ (2019年6月4日 4時) (レス) id: d785c31dd6 (このIDを非表示/違反報告)
cori(プロフ) - kaz2nsariさん» はじめまして、コメントありがとうございます！ニヤニヤしていただけたとのこと、とっても嬉しいです…！早く帰ってきてもらわないと、まだ書きたいことたくさんあるので…！また覗きに来てくださいね〜！ (2019年5月28日 0時) (レス) id: d86fdce482 (このIDを非表示/違反報告)
kaz2nsari(プロフ) - はじめまして！読ませていただきましたが、終始ニヤニヤが止まりませんでした！！翔くんがNYから帰ってきたあとのお話が気になります！！ドキドキ。。 (2019年5月27日 19時) (レス) id: f127e1252b (このIDを非表示/違反報告)
cori(プロフ) - きみきみさん» こちらにもコメントありがとうございます！名前呼びをしてみました。仕事以外で部長と呼ぶとすこぶる怒ります笑 いつかのニノさんで言ってたことを言わせてみました。絶対履いてると思います笑 また来てくださいね！ (2019年5月22日 17時) (レス) id: d86fdce482 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：cori
| 作成日時：2019年3月26日 19時
