好きな人は彼女持ち。１【ダイヤのA】

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倉持


Aが教室に来て戻った後、周りがうるさかった。

付き合ってるのか？だの
どういう関係なんだ？だの

付き合ってもねーし、何の関係もねー
ただ先輩と後輩の関係だろ


…でも少し嬉しかったのは事実だ。


つーか、あんだけ顔可愛くてお菓子とか何だよ

漫画の中の女かよと思いながら貰った物を眺めれば、可愛らしいマフィンが綺麗にラッピングされている。



「何だ？教室騒がしいな」


御幸が不思議そうに自分の席に戻ってきた。


「倉持、Aさんと付き合ってたんだ？」


御幸が前の席に座ると浅村がこっちにやって来て、ややこしい質問をしてくる。


「付き合ってねーよ」

「えーそうなの？」


御幸の様子をチラッと盗み見るも、何も気にしていないように見えた。


「てか、何貰ってたの？」

「うるせーな。何でもいーだろ、あっち行けよ」

「こわっ！じゃあいいですよー！！」


Aは御幸の事が好きで、それは御幸本人も知ってることなんだ。

俺と関わってたらあいつが色々と御幸に誤解されちまうだろうが



「何か貰ったの？」


浅村が席に戻ると御幸から意外な言葉が出てきた。


「なんだ？気になるのか？」

「いや、食い物なら貰おうかなって」


Aがきいたら喜ぶだろうな、きっと


「食い物だけどやんねー」


けど、これは俺が貰った物だ。

お前にはやらねーよ。


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