好きな人は彼女持ち。１【ダイヤのA】

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「まじかよー。まさか倉持とはねー」


謎の発言を残し、消えていった失礼な人。

倉持先輩とはね。とは、どういう意味でしょうか？



「倉持ならあそこの教室だけど…俺が呼ぼうか？」

「いいんですか？お願いします！」


ノリ先輩のおかげで教室に辿り着き、倉持先輩を呼び出すとクラス中の視線が一気にこっちに集まる。

そこには御幸先輩の彼女もいて、御幸先輩はいないか素早く確認したけど姿は見当たらなかった。


「は？何？俺？」

「じゃあ、俺は行くね」


ノリ先輩にお礼を言い、困惑した表情をしている倉持先輩にマフィンを渡した。


「この間は家までありがとうございました。自分で作った物なんですけど…よかったら貰って下さい」

「……サンキュー」


驚いた顔をしながらも受け取ってくれた。


倉持先輩のことだから、何か文句でも言われるかなって思ったんだけど…よかった。


「じゃあ、私はこれで…」

「ちょっと待て」


一度、自分の席に戻ると手には紙パックのぶどうジュースを持って戻ってきてーー


「ぶどうジュース飲めるか？」

「え？はい、飲めますけど…」


そう言うと、ぶどうジュースを差し出してきた。


「やるよ。朝買ってまだ手つけてねーやつだから」

「でも…」

「いいから貰っとけよ、ありがとな」


そう言って強引に渡してきて、私が受け取ると教室の中へと戻っていった。


お礼をしに来たつもりだったんだけどな…


貰ったふどうジュースを手に自分の教室へと戻った。


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