好きな人は彼女持ち。１【ダイヤのA】

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御幸


最近、Aと倉持の関係が面白い。

倉持ほど観察力はないが、さすがにこれはわかるぜ


倉持がAを意識してるのが丸わかりだし、Aの方も多少気にしてるみたいだ。

そこに一年の東条も加わって、綺麗な三角関係が出来上がっている。



Aも俺に振られて前に進んだのか…

俺も結菜と一度、真剣に話をしないとな。


そう思い、手に持っているネックレスを見つめる。

実は付き合ってから一度もプレゼントをあげたことがなかったから内緒で買ってきた。

安物だけど、喜んでくれっかな…


「一也何してるの？」


いきなり結菜に声を掛けられて、急いでネックレスをポケットにしまう。

あげる前にハッキリさせないとな……


「あのさ、話あんだけど」

「え？何？今日じゃないとだめ？」


都合悪いみたいだな。

いや、今度でいい。と伝えて席を立ち部活に向かう。


あの練習試合から結菜と少しギクシャクしていた。

前は練習終わり俺に会いに来てくれたりしてたのに、最近じゃそれもなくなってきたな…



昇降口に行けば結構雨が降っていて、傘がないことに気がついた。

こんな日に限って寮に置き忘れてきちまうし…


走るか。と鞄を頭の上に置き外に出て、雨の中を全速力で駆け抜ける。


頭には何故か結菜との今後の不安が浮かんでいて全然前なんて見ないで走っていた。


するとーー

「きゃあっ！！！」

女の子と思いっきりぶつかって、お互い濡れた地面へと転んでしまった。


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