好きな人は彼女持ち。１【ダイヤのA】

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倉持


練習試合が終わってから、バッティングの自主練をしばらくしていた。


まだまだ課題点が多すぎる。


周りを見れば、練習試合に出ていた先輩達もそうじゃない先輩達も自主的にバットを振っていて

負けられないと思ったーー



夕方には自主練を終えて部屋に戻ると、なぜか沢村がニヤニヤしながら俺を見てくる。

その表情がうざくてタイキックをかましてやった。


後輩虐待、なんてやかましく喚いてたけど無視して着替え始めたら…

「倉持先輩の好きな人ってAだったんすね」

と、意味ありげな顔で俺を見てきた。



「あ？」

「この前俺が食ってめっちゃ怒ったマフィンってAからのやつだって今日知ったんで！」


こいつの言ってることがわからない。

Aから貰ったやつだって言った覚えがねえ

今日知った？どういうことだ？


「何でAからだってお前が知ってんだよ」

「今日、Aこの部屋来てたんすよ！倉持先輩の机の上のリボン見て喜んでましたよ」


急いで自分の机を見ると、確かにAからもらったマフィンについていたリボンが置いてあって

やらかした…と思うが、もう遅い。



何でちゃんと片しておかなかったんだ俺


まさか本人に見られるなんて…

すげーダセーじゃん


今度どんな顔してあいつに会えばいいんだよ


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