好きな人は彼女持ち。１【ダイヤのA】

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「何でしょうか…？」


浅村さんが少し怖い顔をしてるのは気のせい？

御幸先輩の顔はやっぱり見れなくて、チラッと浅村さんを見てから呼んだ張本人を見つめた。


「俺のこと知ってるでしょ？」

「…すみません、わからないです」

「ちょっと！！！嘘でしょ！？この有名でイケメンな成宮鳴様を知らないの！？！？」


成宮さんという人が熱弁しているけど…

ごめんなさい、ほんとに知らないです。


「鳴やめろ。うちのマネが引いてんだろ」

「こんな可愛いマネがいるなんてきいてないよ一也！俺に紹介して！！」


さっきの試合の時とは全く変わって、ギャーギャー騒ぐ成宮さんに笑ってしまった。

可愛いって褒めてくれたのも素直に嬉しい。



「一也のせいで笑われちゃったじゃーん！！ねえ、彼氏いる？いないなら付き合ってあげてもいいよ？」


随分、上からくる人だな…

自分に自信たっぷりな感じが羨ましい。

というか、見習いたい。


「いや、大丈夫です…」

「え！なんで！？どうして！？この俺の彼女になれるチャンスなんてそうそうないよ？」


断ってもしつこい成宮さんに少し困っていると、大きな人がやって来て成宮さんの首を掴んだ。


「おい、こんなとこで何やってんだよ。帰るぞ」

「ちょっと雅さん！！今、いいとこなんだから少しは空気読んでよ！！」

「うるせー野郎だな。行くぞ」

「離せー！！！」


そのまま掴まれてバスへと連れて行かれた成宮さん


大きな人のおかげで助かった…

まるで嵐のような人だったなと思えば、もう一つ問題が残っていたことに気づく。


私もこの場から逃げたいです…


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