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今日は朝から大忙しで試合の準備を進めていた。
稲城実業の野球部とは因縁があるらしく、先輩達の表情がいつもより固いのが見てわかる。
バタバタと用意していると、明らかに服装が場違いな人がいると思ったら浅村さんで。
気にしないように一生懸命、仕事をしてごまかす。
「ありがとうございました!!」
試合は接戦だったけど青道高校が勝った。
青道の野球部のみんなもすごかったけど、隣のグランドの稲城実業のピッチャーの人もすごくて…
五回完封の圧勝だった。
ギャラリーの多さや声援も、うちの高校よりも倍以上で少し悔しかった。
「あのピッチャーの人すごかったねー」
「ほんとだよね」
試合の後片付けをしながら春乃と歩いているとーー
目の前には稲実のピッチャーだった人と御幸先輩、それに浅村さんが三人で話していた。
「…あっちから行こうか?」
御幸先輩との事情を知っている春乃が気を利かせてくれたけど迷わず首を横に振る。
「ううん、もう平気。ありがとう」
なるべく見ないように……
視界に入れないように真っ直ぐ遠くを見ながら三人の横を通り過ぎる。
ふー。
無事、通り過ぎることができて胸を撫で下ろす。
「ねー!!そこの君!髪長い方!」
後ろから大きな声が聞こえて振り返ると、稲実のピッチャーだった人が私を見て手招きをしている。
「A呼ばれてるよ…」
「なんで私…?あそこ行きたくない…」
御幸先輩も浅村さんもこっちを見ていて、せっかく見ないようにしていたのに……
「ちょっと早く来てよー!!」
荷物を持ったまま渋々、三人の方へ向かった。
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HIKARU(プロフ) - 蝶乱さん» コメントありがとうございます^^ 頑張ります!! (2020年3月5日 17時) (レス) id: e2128e8a6d (このIDを非表示/違反報告)
蝶乱(プロフ) - はじめまして!全然読みにくくなんてありません!むしろ面白くてめちゃくちゃ更新を楽しみにしおります!第2目も頑張ってください (2020年3月5日 12時) (レス) id: f2a4c0900f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:HIKARU | 作成日時:2020年3月1日 13時