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「御幸先輩も怪我ですか…?」
「体育のバレーでちょっとな。そっちは?」
「転んで手首捻っちゃったみたいで…」
慣れた手つきで棚から湿布を取り出す御幸先輩
そんな所にあったんだ…
立ち尽くしたまま見つめ続ける。
やっぱりすごくかっこいい。……好きだな…。
静かな保健室には湿布をシートから剥がす音だけが響いていた。
「ここ座んな。湿布貼るから」
「ありがとうございます…。でも、自分でできます」
これ以上、関わったら気持ちがどんどん大きくなってしまいそうで怖い。
優しくされたらもっと好きになる。
そして、もっと傷つくことになる。
「自分じゃ貼りづらいだろ。いいから早く来い」
「………はい」
「怪我した所出して」
結局、断れなかった。
椅子に座って右の手首を差し出す。
「少し冷たいぞー」
私の手に御幸先輩の手が軽く触れる。
心臓の音は最高潮に鳴り響いていて、顔も熱くて、というか熱すぎて痛いくらいだった。
無理だよ、こんなの。好き。やっぱり大好き。
「あの、御幸先輩…」
「んー?」
「好きです…すごく……」
言うつもりなんてなかったのに、もう耐えられなくて遂に口に出してしまった。
結果なんて分かってる、分かってるけど…
怖くて御幸先輩の方を見れずに俯く。
湿布を貼り終えた御幸先輩の手が自分から離れていくのがわかった。
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HIKARU(プロフ) - 蝶乱さん» コメントありがとうございます^^ 頑張ります!! (2020年3月5日 17時) (レス) id: e2128e8a6d (このIDを非表示/違反報告)
蝶乱(プロフ) - はじめまして!全然読みにくくなんてありません!むしろ面白くてめちゃくちゃ更新を楽しみにしおります!第2目も頑張ってください (2020年3月5日 12時) (レス) id: f2a4c0900f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:HIKARU | 作成日時:2020年3月1日 13時