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何も言わず、まるで御幸先輩達から隠すように抱きしめてくれている。
「ヒュー」「倉持やるー」
なんて、二人の冷やかす声が聞こえてきたけど倉持先輩は何も言い返さない。
御幸先輩の冷やかしの言葉が胸に突き刺さる。
しばらくすると二人の声も遠くなり完全に聞こえなくなった。
「…急に悪かったな、大丈夫か?」
心配そうにきいてくれる。
その優しさとか、あの二人が一緒にいた光景とか、色んな感情が溢れてきて涙が止まらない。
「だ、だい…っ…じょ…ぶ……っ…です」
嗚咽をあげながらも答える。
涙で顔はグシャグシャだしきっとすごい顔になってしまっているだろう。
「お前、御幸と何かあったろ」
「…はい……」
抱きしめられたままの状態だったけど、何だかとても落ち着けて体を委ねてしまう。
「…てか東条見てるけど、待ち合わせか?」
コクンと頷くと、体を離す倉持先輩
「今度話聞かせろ。後、あんま泣くな、顔がすげーことになってんぞ、ヒャハハハ」
頭をポンと優しく叩いて寮の方へ歩いていく。
最後の言葉いる…?
だけど、倉持先輩がいてくれて救われた。
倉持先輩が顔を隠してくれていなかったら、情けない泣き顔を二人に見られてしまうところだった。
すぐ東条君も心配して駆け寄ってきてくれて、みんなの優しさが身に染みて涙が止めどなく溢れてくる。
東条君は私の話をちゃんと聞いてくれて、御幸先輩との間に起こったことを全て話した。
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HIKARU(プロフ) - 蝶乱さん» コメントありがとうございます^^ 頑張ります!! (2020年3月5日 17時) (レス) id: e2128e8a6d (このIDを非表示/違反報告)
蝶乱(プロフ) - はじめまして!全然読みにくくなんてありません!むしろ面白くてめちゃくちゃ更新を楽しみにしおります!第2目も頑張ってください (2020年3月5日 12時) (レス) id: f2a4c0900f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:HIKARU | 作成日時:2020年3月1日 13時