＊《２》 ページ32
「……でさ、このゲームは多くの人に人気があって今まででもずっと長く続いてる作品なんだけど」
ゲームを始める前の、"十文字アタリのレトロゲー講座"。
僕がやった事の無いゲームをこれからする時には、もれなくそれがついてくる。
予備知識があるのは結構だけど、夜中にそれはちょっときついんだよ。
「……って、おいおい聞いてんのか？」
「ああ……うん」
……ああ、今回も長そうだな。
聞いてる振りでもして寝てしまおうか。
前いた世界で磨いたスキルを活かして、僕はそれを実行した、んだけど……。
「オレは無印の頃からこの作品が好きで、最近の新しいやつまで全部集めてる」
……。
「もちろん、スピンオフとかも全部持ってるし、どれも最後まで何度もクリアした」
…………。
「だからストーリーとか台詞とか、カンペキに覚えてんだけど……」
……声が近くなってくる。
「……お前が目を開けたまま寝られんの、知ってんだよなぁ……？」
「……ッ！？」
普段の彼とは想像もつかないような低く響く声で囁かれて飛び起きた。
何故僕が目を開けたまま眠っていた事が分かった……？
近い距離のまま、彼は話を続ける。
「今回やるのはレトロゲーじゃなくて最新作のスピンオフ作品なんだけど……ほい」
渡された二つのケース。
片方は今回やる作品で、もう片方が従来のものだと言う。
……その二つに描かれている、このゲームの登場人物らしきキャラクターに、何処か見覚えのある気がした。
やった事があるとかじゃなくて、会った事があって、むしろ見慣れているというか……。
「この紫の長い髪で眼鏡かけてるやつは"エルリカ"っつって、いっつも本読んでて頭良いんだ。
それでこの金髪ツインテールが"ミルキー"。
魔法使いなんだぜ？かわいいよな。
それから、ピンクの髪で包丁みたいなの持ってんのが"リーヴェ"。
こいつ乃保みたいでさ、刃物大好きなんだぜ」
「は……」
目と耳を疑った。
エルリカ、ミルキー、リーヴェ……彼女達は、僕のよく知っている名前だ。
どくん、と心臓が大きく波打つ。
「で、今回やる作品なんだけど、この作品、"主人公"がいねーんだ」
とん、とスピンオフじゃない方のケースに描かれている、弓を背に抱えた少年のような少女を指さして言った。
そいつはまさか、いや、そんな事ある筈が……。
「……こいつ、何て名前だと思う？」
……ニヤリと微笑んで僕の目をじっと見つめてくる彼は、僕の事を一体何処まで知っているのだろうか。
【☆】魔界デートに行ってきます《１》【サーティーン】→←【Ｄ】"僕"をよく知っている"君"《１》【十文字アタリ】
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愛里(プロフ) - この小説大好き。もっと挿絵を増やして欲しい！Twitterフォローしたよ。 (2018年9月2日 16時) (
レス) id: 95c5af7e07 (このIDを非表示/違反報告)
レウィシア(プロフ) - 悠真さん» ありがとうございます！！！！そう言われると私も好きになります！！！！（最敬礼！！！！！）（もちつけ） (2017年12月27日 21時) (レス) id: b8b95089d5 (このIDを非表示/違反報告)
悠真(プロフ) - 好きです……ｯ！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！ (2017年12月27日 0時) (レス) id: 238371ad35 (このIDを非表示/違反報告)
レウィシア(プロフ) - 李暗さん» バレてしまっては仕方ない。← (2017年12月26日 15時) (レス) id: b8b95089d5 (このIDを非表示/違反報告)
李暗 - まじめな顔で面白い事をする鬼神様…第2期…鬼灯ですか？ (2017年12月26日 13時) (レス) id: 32a03187a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レウィシア | 作成日時：2017年11月19日 1時
